表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/39

第6話 図書館③、防衛部の優雅な休暇

150PV越えていました。ありがとうございます!!

ハンディ魔物大全、主要な魔物を網羅しているようで家で読む事としよう。

これは大幅な時間短縮になりそうだ。


地下室には時計がなかったので上に戻って時計を見ると、まだ18時と2時間ほど残っている。


さて、最後。地理について調べるとしようか。

さっきの魔物大全にも中央大陸?などが出てきたしな。


地図帳のようなものを発見したので、2冊ほど席に持ち帰る。


「やっぱり中央政府出版とステン教団出版なんだな」


さっきの魔物大全で初めて気づいたが、今までのものそうだったのかもしれない。まぁそれはともかく地図を読むか。とりあえず中央政府出版にしておこう。




驚いた。この世界は円錐の底面に球をくっ付けたような形をしているようだ。


世界は五大陸と諸島群に分かれているそうだ。そしてこの世界は北に行けば行くほどエーテル濃度が濃くなり、強い魔物が発生すると言われている。そして最南端をN0、最北端をN90と表現するそうだ。魔物にもランクがあるそうで、あとでハンディ魔物大全で確認してみよう。


まずは最北の大陸、ボーダー大陸。

まだ誰も到達した事がない大陸だそうで、伝説上の存在ではないかとも言われている。「魔界」と呼ばれる場所との境目であると言われており、「魔界」とのエーテル濃度の違いから[特I級]の魔物や[魔王]が発生することがあると言われているそうだ。

最北端はN90、最南端はN72(古文書による推測)


そして第二の大陸、妖魔大陸。

主に妖精族や魔族などのエーテルへの適応性が高い種族が住んでいるが、人間(ここでは人族と表現される)も少なからず住んでいるらしい。また先述したとおり北に行けば行くほどエーテル濃度が濃くなり、魔物のレベルが高くなるということで、北のほうの土地には誰も住んでおらず現在開拓が進んでいるそうだ。

発生する魔物のレベルは現在の最北端で[I級]、平均で[Ⅱ級]程度だということだ。

現在人間サイドの最北端はN58、最南端はN38。


次に第三の大陸、大砂漠,大森林。

これは別に表記ミスというわけではなく、北が大砂漠、南が大森林と呼ばれているらしい。そして最大の大陸であるそうだ。

主に大砂漠には地底人族が住んでいるが、人族も少なくないらしい。大森林は獣人族が住んでおり、定住している人族はいないようだ。というのも、大森林の木々はエーテルを集める傾向にあり、人間や魔物はエネルギーを吸われてしまうということで、適応した獣人族しか住むことができないらしい。

発生する魔物は大砂漠では[Ⅱ級]から[特Ⅲ級]程度で、巨大化する傾向があるらしい。

大森林では先述したとおりほとんど魔物が発生しない。

最北端はN49、最南端はN29。位置的には妖魔大陸の南西に位置する。


そして第四の大陸、中央大陸。

別名「人族大陸」。別名からも容易に推測できる通り、人族が圧倒的多数を占めている。

一つの特徴として他の大陸は小国が多かったりするが、この大陸は一つの大きな組織である「中央政府」というものが大陸の隅々まで統治しているそうだ。

また「中央政府」は軍を所持しており、軍のトップが「中央政府」のトップでもあるらしい。軍のトップは一人で小国を一つ滅ぼせる程度の実力とか書いてあるが、この本が「中央政府出版」だし力を顕示したいのだろう。場所によってエーテルの濃度が大きく違い、また迷宮なども多くあるそうだ。

発生する魔物は[Ⅲ級]から[特Ⅴ級]まで幅広く、これも多くの人族が住む理由となっているとのこと。

最北端はN27、最南端はN15。位置的には妖魔大陸の南にある。


最後が第五の大陸、南大陸。

小国が乱立する大陸だが、北に「中央政府」という大きな脅威が控えているためいざこざは少ないそうだ。

特に特筆すべき特徴がないって...中央政府出版雑すぎるだろう。

発生する魔物は[Ⅴ級]から[Ⅵ級]程度。

最北端はN15、最南端はN0。底面の球をすっぽりと覆うような形の大陸で、北の一部分で中央大陸と接続しているらしい。


あとは諸島群もあるらしいが、もう時間が19時50分だ。一日中文字に向かっていたせいで目がちかちかする。


椅子から立ち上がり軽く伸びをする。入口をちらっと見ると、青い光とともにジンさんが現れるのが見えた。

…なぜか満身創痍で。

「やぁテスラ少年!充実した一日だったか!」

テンションまでぶっ壊れている気がするんだが。いったい何があったというのか。

「…実は今日、防衛部の運動会があってだな」

机に頭から突っ込んで無傷のこの人がここまで満身創痍になる運動会ってなんだなんだいったい...



「開始8時半だったよね?」

現在時刻は8時15分。

ロゼが不安そうに聞いてくる。というのも、会場の河川敷に着いても全くと言っていいほど準備がなされていないからだ。なぜかきれいに下草だけ刈り取られている。


「日時も合ってる筈だし、問題ないだろ。移動になるんじゃないか?」

「間違えてないといいんだけど…ジンが」

「俺のせいかよ!?」

「冗談冗談」


全く…。あ、土手の向こう側から人が歩いてきた。


「ロゼ、あそこにいるの誰かわかるか?」

「うーん、見えないわね…『望遠』使う?」

「いや、大丈夫だろう。戻っていったしな」


ドォーン!!

瞬間、物凄い爆音が!職業柄俺とロゼはとっさに爆風に背を向け伏せる。すると前方向から閃光弾が!

「なんだ!?魔王でも発生したか!?」

「ジン、落ち着いて。閃光弾を使う魔王なんかいないわ」

視界が戻ってきたのでゆっくりと目を開ける。するとそこには…


『ロゼ様ステン教団防衛部長就任記念&ジン様人生初の女性と同居記念運動会!』

一瞬にして闘技場のようなスタジアムが出現し、上からそんな横断幕が垂らされていた。


「…帰ろうかな」

「ところがどっこいそうはいきません!!結界班、GO!」

途端に周囲に赤色の球体状の結界が張られ始める。ご丁寧に魔法やスキルまでシャットアウトする最上級の結界だ。

「やっぱり主犯はリィだったわね…あの子お調子者だから…」


「そう!このわたくし、防衛部4番遊撃班長!人呼んで「テンション兵器」!リィ主催でございます!」


闘技場の上からロゼをビシッ!と指さすリィ。てか聞こえてるのかよ…


「ではルール説明としゃれ込みましょう!ルールは単純です!ロゼ様とジン様のチームvsわたくしを筆頭とした防衛部精鋭チームに分かれ、合計得点が多いほうが勝ちというルールになります!」


「確かにこれ以上ないほど単純なルールね」

「説明が続くみたいだぞ、聞こう」

「結局ノリノリなんだから…」


「そして優勝チームには豪華景品が!すでにこちらに用意してあります!」

彼が手を挙げると、後ろから一辺一mほどの立方体が現れた。中身は見えないが…

「ちなみに、わたくし自腹で用意いたしました!勝たないと正直今月乗り越えられないと思います!」


「馬鹿だろ」

「馬鹿だね」


「さて、ここまでの説明で参加しないなんて言いませんよねお二方?」


俺とロゼで顔を見合わせる。

「まぁ暇だしいいか…」

「私たちのためにここまでやってくれてるってことでしょ?…まぁジンのほうは微妙だけど…」


「ありがとうございます!!それではここにて、『第一回 ロゼ様ステン教団防衛部長就任記念&ジン様人生初の女性と同居記念運動会』を開催いたします!!」

『イェーイ!!!!』


拍手と歓声とともに屋上からわらわらと出てくる防衛部のメンバー。班長クラスのメンバーが25人ほど見える。


「まんまと引っかかってくれましたねジン様。こちらのチームが2人しか出場しないとは一言も言っていませんよ!」



「知ってるよ」


「えっ?」

「知ってるといったんだ。お前ら25人くらい俺一人で十分だ」


「なかなか煽りますね!痛い目を見ますよ!!」

「上等だリィ、かかってこいや!」


「…殺気立ってるところ申し訳ないんだけど、私もいるんだよね」


「ってことがあってだな」

「その話、帰ったら詳しく聞かせてください」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ