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オリガミ 記憶喪失の冒険記  作者: 玄紗(げんしゃ)
第3章 防衛部外機動隊
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第33話 第14外機動隊

渡された地図の指定の地点へと向かう。

前の訓練は中庭で行っていたが、今回はロゼさんとリィさんが戦った教会地下の特別訓練場だった。


それにしてもこの教会、外から見たらただの石像2階建てなのに「外に居るように見える環境」を作り出す地下空間とか、巨大な訓練施設とか、いったい地下はどうなっているのだろうか。少なくとも地下7階まではあるようだが。


地下6階、特別訓練場に到着。

「ちょっとテスラ!?道順覚えてるのっ!?」

「あ、ああ。覚えてはないけど多分大丈夫・・・だ」

めっちゃ不安だけど、まあメモはあるし大丈夫だろ。


訓練室は煉瓦と分厚いコンクリートで作られており、ところどころ焦げた跡と血の跡のようなものが・・・血!?

「やばいんじゃねえの!?大丈夫かこれ!」

「血が滾るわね!!楽しみだわ。ローザ様もここなら見てないっぽいしね!」

戦闘狂かよ。ヴェルはこの教会にあってるかもしれんな。…というか、ローザさんを知ってるのか?


なんて余計な思考をしていたら、ヴェルは分厚い鉄の扉をおもいっ切り開け放つと、ふてぶてしい態度で仁王立ちをしていた。

何やってんだこいつ。勘弁してくれ!


すでに中にいた隊員の目線が集中する。3人いるようだが…


「ヴェル五梯よ。宜しく」

「あ、えっと。テスラ七梯です、ヴェルがすみません・・・」


「あら?誰かと思ったら、テスラさんでしたか。お久しぶりです」

リーダー格のような人間が前に出てきた。水色の髪の少女…て、


「フィン・ウィンガルドじゃないか!数か月ぶりだなっ!」

「テスラッ!今はあんたより格上なんだから敬語を使いなさい!」

頬を膨らませて指をずいっと突き出す紫髪の少女。


「ライラまで!同じ隊だったのか!」

「ライラ六梯といいなさい!あと、フィンは四梯だし私たちには敬語を使うことね!」

「まあまあ、いいじゃないですかライラ。私は気にしませんよ」

両手を合わせにっこりとするフィン。


「それにしても、私たちのこと覚えてたんですね。もう8ヶ月以上あってませんから忘れられてるかと思いました」

「え?8ヶ月?3ヶ月じゃ・・・?」

「え?」

「あ、ダメだこれ以上はいけない」

「そ、そうですね。これ以上踏み込んだらよくないですね」


「そっ、そんなことより第14外機動隊へようこそってことで、私が隊長のフィン・ウィンガルド四梯です。

で、こっちがライラ・ディラック六梯。後、もう一人いるんだけど…」


そう言うとフィンはキョロキョロとあたりを見回し始めた。後ろのほうでぴょんぴょん飛びながら自己主張をしている黒髪ボブカットの女の子は無視なの?何とは言わないがとてもでかいせいで目に悪いんだが?


「…あの、フィン隊長、私はここに」

肩をトントンと叩かれ、ようやく気付いたようだ。

「あ、ごめんなさい!紹介します、エルナ五梯です。隠密行動にとても優れてるんだけど、ちょっと優れすぎてるというか…」

「…別に私だって好きで存在感薄くしてるわけじゃないんですけど…」

ヴェルとライラは未だに唸りながら目を凝らしている。


「え、そんなに存在感薄い?俺最初から見えてたんだけど」

「嘘、私まだ見つけられないんだけど」

「テスラ嘘ついてんじゃないでしょうね!?ライラでも見えないのに!」

憤慨の表情の2人。いや、初めから見えてたんだが。

「…ほんとですか」

期待の表情を浮かべるエルナ五梯。


「フィン隊長の後ろではねてた時から見えてましたよ」

「…見られてたとは」

一気に赤くなるエルナ。恥ずかしいならやらなきゃいいのに…


「それにしても不思議ですね、なんでテスラさんだけエルナが見えるんでしょうか?」

「俺、魔力が0だからそれが関係してるんじゃないか?」

「…私、体表からの魔力放射が極端に多いので、周辺に認識できない魔法を常時使ってるようなことになってるんです」

エルナはうつむき気味につぶやいた。どことなく悲しそうである。


なにやら呪文を唱えていたフィンが顔をあげて、きょろきょろ見回す。

「魔法防御、使ったんですけど相変わらずですね」

「…本質的には魔法じゃないですから」


「ねぇテスラ、私一つ試してみたいことがあるんだけどいい?」

いきなりヴェルが声をかけてきた。なんだか嫌な予感がするけど・・・

「周りに迷惑かけなければまぁいいぞ」

「なら大丈夫ね・・・」

いきなり光りだすヴェルの右手。複数の魔法陣が突き出した右手の前方に複数現れ・・・

「待って、それ大丈夫な奴?」

「迷惑かけるのはテスラだけだから、『天上の光線(セレスティアル・レイ)』ッ!」

周辺を光が埋め尽くし、右手から放たれる極光。テスラに着弾するとともに大爆発を起こした。


「ちょ、ちょっと!?テスラに何したのよ!」

「大丈夫、手加減したから死なないわよ。ほら見なさい」

食いかかるライラを軽くあしらい、テスラがいるはずの方を指さすヴェル。


「ったく、いったい何だってんだいきなり。こけおどしかよ」

「嘘、無傷ですか。あれほどの魔法を食らって無傷・・・?」

オロオロと狼狽えるフィン。いったいどうしたんだ?

「…私のケースといい、今のヴェル五梯のといい、まさか」

「そう、そのまさか。おそらくこいつに魔法ダメージは効かないわ!」

ビシッと指をさし、偉そうに告げるヴェル。


「いや待て、それじゃあ2層で初めて出会った時のはどう説明するんだ」

「あれは魔法ダメージじゃないわ。私の殺気で気絶しただけよ」

「じゃ、じゃあ19層のはどうだ?打撲したぞ俺!」

「ふん、土系統の魔法には多少物理攻撃が含まれるのよ。それがヒットしたんでしょう」

「…え、俺無敵じゃん」

俺が調子に乗った発言をすると同時に、溜息をつくライラ。

「あのね、ライラたちの仕事は教会の防衛、魔物退治なんだよ?それこそ『魔王』クラスにならないと魔法なんて使ってこないんだから」

「あ、うん。人生そんな甘くないよね・・・すみません・・・」

「あはは、まあそんなに気を落とさないでください。条件付きとはいえ、ローザ教会長の『不変』スキルみたいな無敵付きなんてそうそういませんから」

微笑んでフォローしてくれるフィン。天使か?


「まあこいつの事はこんなもんにしておいて、仕事について教えて頂戴。今日もあるんでしょう?」

「勿論説明しますよ。まずですね…」


メモを片手に説明するフィン。要約するとこんな感じだ。


・教会から数十kmほど離れた土地の防衛が主な仕事。

・週1の探索以外は、有事に備え各隊での訓練。

・各隊でのローテーションで休みを取る。よって夜中に仕事が入ることもある。

・月1で外機動隊の中でのリーグ戦がある。今のところ、わが第14外機動隊は新設のため最下位。


「…夜に仕事、ますます私が発見されなくなっちゃう…」

「リーグ戦って対人戦なんでしょ!?楽しみね!」

「ライラはフィールドワークのほうが楽しいと思うけどね」

各人まちまち反応、なかなか個性があって面白そうな隊だな。


「さて、今日は訓練だろ?フィン四梯、いったい何をするんだ?」

「そうですね、今日は皆さんのお手並み拝見で隊内対人戦と行きましょうか!」


…対魔法無敵を明かすのは対人戦の後にしてもらいたかったな・・・

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