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オリガミ 記憶喪失の冒険記  作者: 玄紗(げんしゃ)
第3章 防衛部外機動隊
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第32話 防衛部、再び始めました

儀式の後。

白衣を颯爽と靡かせた(気に入ったらしい)ロゼさんに連れられ、小さな部屋へと入れられた。

ヴェルも一緒である。


「さて、それじゃあ君たちは防衛部としての任務に就いてもらうよ。その前に、ステン教団防衛部に関して説明をしようと思うんだけど、いいかな?」


いいかなもなにも、説明されなきゃわからんわ・・・

「ぜひお願いします」

真面目な顔でメモ帳とペンを取り出すヴェル。こいつこんなにまじめだったのか。


「じゃあまず説明ね。防衛部には4つの隊が存在しているわ。


・遊撃隊 ここが一番強いわ。どんな外敵にも対応するだけのスペックがないといけないからね。

・外機動隊 教会から離れた強い敵を処理する隊よ。

・内機動隊 教会近辺を護衛する隊、ここが一番安全っちゃ安全かもね。

・後方支援隊 後方から支援射撃とか味方の強化、治療をする隊、大規模戦闘では一番頼りになるわ。


こんな感じ。本当は内機動隊配属予定だったんだけど、ちょっと想像以上の強さになっちゃったから2人は外機動隊配属になるわ。頑張ってね!」


「えっ。なんもわからん俺がそんな重要な役に入って大丈夫なんですか?」

「最近、戦力不足だからね。まあレプリカとはいえ私を倒した二人だし、大丈夫でしょ!」

「私、広範囲治療とか味方の強化、遠距離射撃もできますけど、後方支援部じゃなくていいんでしょうか」


敬語ーーー!!ヴェルが!あの不遜の凝結物みたいなヴェルが敬語!?どういう風の吹き回しだ。


「ヴェルちゃんは戦闘能力が高いから、後方支援部には勿体ないわ。ってか、クゥラさえ良ければ第三遊撃隊に入れたのに・・・」

「?なんか言いました?」

「あぁ、気にしないで。独り言よ。ここまでで質問は?」


「あ、はい!教会を守るって、具体的には何をするんです?」

頬に手をかざし、斜め上を向いて考えるロゼ。

「うーん、そうね。ちょっと強めの魔物倒したりとか、非常時に備えて訓練とかかしら。」

「ヴェル、気をつけろ。ロゼさんは感覚がぶっ飛んでるから普通の尺度で考えなほうがいい」

「なによ失礼ね。私だってしっかり考えてるのよ」

「じゃあちょっと強いってどれくらいですか!」

首を傾け、あざといポーズをとるロゼ。

「私がワンパンできないくらいかな?」

「それ相当強いんですけど~~~~!!??」


「テスラ煩い。黙って説明聞きなさい」

「え?俺が悪いの?」

キレるヴェル。ただでさえ吊り目なのにさらにきつい感じになっている。


「じゃあ続き説明するわよ。これは1か月前に導入された制度なんだけど、今までは部隊名で階級をあらわしてたのよ。でも「外機動隊第11班の〇〇さん」とか煩わしいじゃない。というわけで抜本改革。防衛部内の階級をすべて統一、『てい』というもので表すことにしました!

偉い人、というか強い人から順に一梯→二梯→・・・→十二梯って感じね。階級章みればわかるわよ。


えーっと、テスラが七梯、ヴェルちゃんが五梯ね。昇級降級は1年に1回行われるわ。目指せ1梯!って感じで頑張ってね。一梯は現状4人しかいないけど」


「一梯、ロゼさんのほかに3人もいらっしゃるんですか?ジンさんとか?」

「テスラ、ジンみたいなやつが一梯な訳ないじゃない。ジンは二梯よ。あと私は部長だから新基準からは外れてるわ」

手帳を取り出して確認するロゼさん。覚えてないのかよ・・・


「覚えてるわよ、失礼ね!一梯は4つある遊撃隊の各隊長よ!!たぶん、リィくらいしか知らないんじゃない?」

心を読める人と話すの面倒くせぇ!!全部筒抜けじゃないか・・・

「あぁ~、なるほど。とりあえずあらかた理解しました。」

「本当・・・?」

ジト目を向けてくるヴェル。


「うん、まぁいいんじゃない?あとは実戦で何とかなるわよ」

「完璧な脳筋の発想じゃないですか・・・まぁ、何とかなるとは思いますけど」

ニヤッと笑うと、ロゼは親指を立てた。

「テスラもこの教会の人間らしくなってきたじゃない」

サッと白衣を翻して去ってゆくロゼ。気障に右手なんか上げちゃっている。


「私はガン無視なのね・・・」

「あ、ごめんヴェル・・・」


翌日。

ジンさんの部屋で目覚め、始まる訓練の準備をする。

数か月前に作ってもらった防衛部訓練用の装備と剣も『修羅の道』でかなり身になじんだ。

おかげで今はものすごく軽く感じる。


「おはようございます!」

「おはよう少年。今日から外機動隊所属だったか、頑張れ!」

白衣を着たジンさんが飲み物片手に挨拶をしてきた。それにしても、昨日から白衣を着た人間しか見ていない気がする・・・


「ジンさん、いやジン二梯ってお呼びしたほうがいいんですかね?」

「いや、その呼び方馴れないから今までと同じでいいぞ。で、何の要件なんだ?」

「いえ、ジンさんって防衛部のどこ所属なのかなと思いまして。梯って防衛部の階級をあらわしてるんですよね?」


うーん、と顎に手を当てて考えるジンさん。

「オリガミ研究部・・・は防衛部じゃないしな。」

「後方支援隊の隊長よ。なに言い渋ってるのよ」

にょきっとジンさんの背中から顔を出すロゼさん(白衣)。なんなんだこの圧倒的白衣率。

っとと、白衣に気を取られてしまったがジンさんが後方支援隊長ッ―――!?


「驚きがだいぶ遅れてきたわね・・・そうよ、この人個人の戦闘能力はたいしたことないのに集団強化なりがとんでもない実力だから」

「大したことないって言うなよ・・・こんな近くに何でもこなすロゼっていう化け物が居るから言いたくなかったんだが、これでも後方支援には自信があるんだ。と、いうわけで宜しくなテスラ七梯!」


「なんかむずがゆいですね・・・あ、そういえばヴェルはどこに?」

「だーいぶヴェルちゃんのこと気にしてるわね?」

ずいっと迫ってくるロゼさん。なんだかよからぬ事を疑ってるな。

「心が読めるんだからそんな浮ついたことではないことくらいわかるでしょう、純粋に気になるだけですよ」


ニヤニヤしながらジンさんが声をかけてくる。

「面白くないな少年。せっかくの青春だし恋愛でもしたらどうだ?」

「んなこと言ったってジンさん、未婚じゃないですか」

「んなっ!?俺のことはいいんだよ、俺のことは!!」

ブンブンと手を振ってごまかすジンさん。いい気味だ。


「見事に返されちゃったわねジン、あぁテスラ、ヴェルちゃんなら教会併設の宿舎だから、迎えに行ってあげてね。場所は案内板みて」


宿舎につくと、白いワンピースに身を包んだヴェルが暇そうに突っ立っていた。

「よっ、なんでそんなところで突っ立ってるんだ?」

「いや、場所わからないのよ!よく考えたら全く知らない環境に放り込まれて一人で行動するとか無理に決まってるじゃない!しかも、あのローザ様の管轄とか・・・うぅ、天界に帰りたい・・・」


なんだかしおらしくなっているヴェル。

「まあまあ、俺がいるじゃないか!」

「はぁっ!?テスラが何の役に立つっていうのよ!」

「お、いつもの感じになったじゃないか。じゃあ行こう」

「んなっ!なにその見透かした感じ!」


ギャーギャーと騒ぐヴェルを背に、初めての訓練へと向かう。

やっと俺も戦える力を得たのだと思うと、なんだかうれしくなってくるな・・・


「ねぇジン、『現実改変』って完璧に防げたのよね?」

「ああ。基本この教会の管轄内の土地で以上は起きていないはずだが・・・どうかしたか?」

「ん~、なんかテスラとヴェルちゃんだけ、どうも違和感を感じるのよね。あの二人、あってから数か月しかたってないはずなのに・・・」

「言われてみれば。追加調査をしてみるとしよう」

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