第10話 防衛部はじめました
多忙につき更新遅れ及び短くて申し訳ございません。
片付き次第元のペースに戻していきます。
「おやすみー、明日から訓練なんだからゆっくり休めよ」
…まさか明日から訓練だとは思わなかった。本来は一か月後くらいのところを、ロゼさんが無理を言って通してしまったそうだ。職権濫用である。
しっかし、全く訓練の内容が明かされていないのがどうも引っかかる。2人に聞いても「行けばわかる」の一点張りだし。
とりあえず明日の荷物、今日作ってもらった装備と剣、着替えを用意して寝ることとしよう。
○
窓から差し込む朝の光が…ああそうだった、自然の光じゃないんだった。
「おはようございます~」
朝の5時だ。あいかわらず元気を吸われる目覚めだ。
眠い目をこすってリビングに行くとやっぱりすでに2人は起きていた。結構早起きしたはずなんだが2人ともかなり早起きだ。
「さて、今日から訓練だがテスラ少年、準備はできているか?」
「まあ、一応用意できています。あと、いい加減どんな訓練か教えてくれませんかね?」
ロゼさんがふふっとなぜか不敵な笑みを浮かべた。
「行けばわかるわ」
「その台詞もう10回近く聞きました」
朝ご飯を食べ終わって、ジンさん宅を出発する。
2人は朝10時から訓練があるそうだ、俺よりも3時間遅い。
場所は教会の中庭だ。手渡された地図を頼りに移動する。
着いた。筈なんだが...
「あー!そのボールは僕の!」
「ふーん!先にとったほうのだもんねぇ!」
「うわあああああん!!かえせぇ!!!」
幼児(おそらく4歳児程度)が10人程度見える。半数程度は女の子だ。明らかに防衛部の訓練とは思えないんだが...
場所間違えたかな。しっかし、地図を見ると場所はあっているはずなんだが。
参加証明書とやらにも、「防衛部訓練参加者 レベル1」と書かれている。間違いはないはずだが。
と、25歳位の男性がスッとその集団の前に現れ、
「防衛部訓練参加者 レベル1のみんな、集合!」
『ハーイ!!!』
間違ってなかったぁ!!間違っていなかった自分がすごく複雑だ。
十数人の幼児に紛れて立つ。周囲の好奇の視線が視線が痛い。
「えー、それではみんなに新しい友達を紹介するね!テスラ君だよ!」
『テスラ君~!!』
クソ恥ずかしい!?思わず顔を覆ってしまった。
「それでは、今日の訓練いってみよう!」
○
「今日の第一の訓練は、鬼ごっこだよ!」
教官の男の人が声を張り上げた。
『イェーーーーイ!!』
歓声をあげる幼児たち。そういえばジンさんの話の中でもこんな感じだったが、もしかして防衛部ってこんな感じなの?
「最後に鬼だった子には罰があるから頑張るんだよ!
最初の鬼は君!」
教官が冴えない感じの男の子を指差した。
「えぇっ!?嫌だぁ!」
ビシッと指を指すと、その子が赤く発光した。なるほど、鬼は赤く光る仕組みのようだ。
笛が鳴らされて鬼ごっこ開始。
4歳児とは思えない俊敏性で、彼方此方から赤い光が上がる。やはり防衛部。レベル1でも全員のレベルは非常に高いようだ。4歳児のスペックじゃない。
「テシラお兄ちゃん、なんでボーッとしてるの?えいっ」
あ"っ"。ボーッとしていたら鬼にされてしまった。
あと俺の名前はテスラだ。テシラではない。
10分後。
まさかの誰にも追いつくことができず、ひたすら幼児たちに「遅い」と煽られ続けた。
「じゃあ、テスラ君は罰として5km走ね。初めだから20分でいいよ」
無茶だ。
○
幼児たちは騎馬戦をしている。4歳だというのにチームワークの取れた行動をとっているのは、やっぱり防衛部だからであろうか。化け物ロゼジン2人組には遠く及ばないにせよ、防衛部は最低レベルでもここまでレベルが高いとは思わなかった。大体5km20分なんて、トレーニングしてない人間には無理だろ...
中庭の先のほうを見てみると、俺と同年代程度の訓練生が見える。「レベル3」と書いてあるようだが、
すでに人間の限界を超えた訓練をしているように見えるのは俺だけだろうか。砲丸のようなものを投げ、80メートル以上飛ばしている。
なんだかんだで5km走破。すでに息が上がって足も震えて動かない。
「38分...今後頑張ろうね」
優しい教官の声が心に刺さる。
○
結局その後吐き気と足の震え、頭痛が治らず救護室に運ばれ、現在ボロボロの体で帰宅中である。
幼児たちの何も言わないが明らかに軽蔑している目線が痛かった。小さいから素直なんだよなあ、いい意味でも悪い意味でも。
「ただいま帰りました」
夕方4時。終了時刻より1時間早く帰って来てしまった。
「あれ?早かったね」
ロゼさんがキッチンで夕食を作っていた。ロゼさんも早いな。
「私は訓練に行ったらリィに無理やり帰されちゃったから今日早いのよ、酷い話でしょ」
「正直リィさんの苦悩も分かりますよ、会った事ないですけど」
「今度合わせてあげる、で今日は早く終わったの?」
カクカクシカジカ。
「情けないわねー、もうちょっと頑張りなさいよ」
「仰る通りです...返す言葉もございません...」
「まあ初日だから良いけど、明日から頑張るのよ」
「はい...」
耳が痛い。結局その後、早々と夕飯を食べて寝た。
○
「ジン、彼なんだけどさ」
「ん?俺が帰った頃にはもう寝てたな。どうしたんだ?」
「なんか引っかかるのよね、正直あのステータスなのはおかしいと思うんだけど」
「...どうしてそう思ったんだ?」
「もし起きちゃったらアレだし、場所変えましょうか」
そう言って2人は夜の街へと消えていった。
「...聞かせてよ!!」




