第9話 お買い物
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[訂正]いつの間にか500PV超えてました...ひとえに皆様のお陰です。ありがとうございます!
窓から差し込む光が眩しい。いい日の出だ...と思ったが教会の中なのに日差しが入り込んでくるとは太陽ではないな。少し騙された感じがして気持ちいい朝が邪魔された気分だ。
俺がここで目覚めてから3日目。激動の2日間だったが、今日は予定もないしゆっくりできそ
「テスラ君、今日は買い物に行くよ!!早く支度をして!」
…うにもないのであった。
○
「買い物と言っても、俺に必要なものって何かありました?」
ジンさんとロゼさんと食卓に並ぶ。今日の朝食もロゼさんのお手製で、メニューはご飯、味噌汁、リヴァイアサンの塩焼きだ。
「なにってそりゃ、防衛部の訓練が始まるんだから装備とかもろもろ必要だろ?」
口をもぐもぐさせながら話すジンさん。そういえば2人とも昨日の疲れを全く感じさせない。
…俺が参加する訓練ってもしかしてこんな人外レベルの人がうじゃうじゃ居るんじゃ?
「大丈夫よ。昨日の運動会に参加していた人たちは選りすぐりのエリートたちだから、そんな環境にいきなりぶち込むなんて言う酷なことはしないわ」
「ただ教会の沽券に係わるから3か月以内にある程度強くなってもらわないと困るけどな!」
(特別報酬...この間購入した機械が200万イースしたから、貯金が尽きてるんだよ)
ジンさんに冷ややかな目を送るロゼさん。
なんだろう。今俺にもジンさんの心が読めたぞ。
「ま、まあとにかく善処しますよ。家や食事まで用意していただいてるので、恩は返したいですし」
「テスラ少年!いい子だな!」
「ジンが最低なのよ…、まあいいわ。準備しましょう」
ロゼさんが用意してくれていた洋服を着る。Tシャツと半ズボンでわんぱく少年にしか見えないんだが...
そして教会の外に出るということで身に着けているアクセサリーがこちら。
・庇護の指輪
[効果] この指輪を持っている人間がダメージを受けた時、それを指輪のオーナー(事前登録必要)が肩代わりする。
・アイギスの腕輪
[効果] 身に着けたものがダメージを人や動物に与えられそうになった際、それを防御しさらにダメージを与える。
・空歩のブーツ
[効果] 環境によるダメージを無効化する。空中で1回踏み込むことができる。
正直ここまでの厳重体制は辟易するが、そうでもしないと死んでしまうらしい。
流石に悔しいな。強くなりたい。
「2人とも準備はできた?じゃあ行くわよ」
ロゼさんの号令でいざ出発。ちなみに今回『転移』は使わない。俺が教会の地理を把握するためだ。
○
教会を出ると、初日にとおった道をすすんでいった先の広場のさらに向こう、そこに商店街があるのが見えた。そちらに向かって歩いていく。
そういえば初日俺は何の警戒もなしに教会まで歩いてきたが、死ななかったのは僥倖だったということか?
「ローザ姉の近くにいたから数時間はダメージを受けなかったのよ。ローザ姉のスキルのおかげね」
「そんな効果が!ってそれ、だいぶ無敵じゃないですか」
「そうでもないわよ。距離制限もあるし」
「それでも無敵効果はすごいですよ」
「まあそれくらいじゃなきゃ教会長なんか務まらないんだよ、テスラ少年」
ふーん、教会長...教会長なんかやってたのかよあの人!?
案外偉い人に救われたらしい。
そんなこんなで商店街に到着だ。
買うものは訓練着、寝袋、リュックサック、炊事セット、装備、ある程度の魔法機械だそうだ。
防衛部の訓練は泊まり込みも多く、そのため他にももろもろ必要になるらしいが、それは随時改に行くことができるらしい。どうやらまだまだ必要ないとか・・・?どういう事だろうか。
「じゃあ、私は夕飯の買い物してくるから。ジン、付き添いよろしくね」
「了解した。しっかり庇護の指輪のオーナー設定したか?」
「もちろん。私に抜かりはない」
グッと親指を立てて離れていくロゼさん。
「まずは装備を買いに行こうか。少年の筋力は4だろ?」
「1です」
「さして変わらん。どうせ既製品は装備できないだろう」
「申し訳ねぇ…」
ジンさんはニカッと笑って俺の肩に手を置いた。
「まあ任せておけって。悪いようにはしないから」
なんだろう。ジンさんが頼もしく見える。
町のはずれの武器屋さんにて。
「俺が懇意にしている武器屋だ。ここなら間違いない」
重厚な木製のドアを開ける。チリンとおしゃれな鈴の音が鳴って…
バキッ。
「は?」
俺のたっている10センチメートル横の壁に鉄の斧がざっくりと突き刺さった。
「…なんだジンか。てっきり盗賊かと思った」
眠そうに半目をした前髪ぼさぼさの男性が居た。どうやらこの人が斧を投げたらしい。
「相変わらずだなクレイグ、今日はお願いがあってきたんだが」
「…言ってみろ。 あと、その少年は」
「ああ、うちで預かってるテスラ少年だ。今日は彼の装備を作って欲しく」
「よ、よろしくお願いします...」
店主のクレイグさんは俺のほうをちらっと一瞥すると、また手元に目線を落とした。
いきなり話を振られてびっくり!?それよりも店主さん、性格やばすぎるだろ!?
「…材料は持ってきたのか?」
「一応。『ウロボロスの鱗』と『飛竜の皮』と『中性子金属』くらいでいいか?」
懐からカウンターにドンドコ材料を出していく。
「…悪くない。作業に集中したいから6時間後に来てくれ。完成させておく」
どことなく声がうれしそうだ。
「相変わらずえげつない作業速度だな、じゃあ頼んだぞ」
ドアを開けて店の外に出る。
「い、いきなり斧投げられるってどんな店ですか!?」
「良いだろ、死にやしないし。次行くぞ」
ジンさんはどこ吹く風だ。おかしい...
その後も店主が天井伝いに移動している店や、店に入るまで数百段の石段を登らなきゃいけない店など商店街という概念を超越した店の数々を回り、6時間ほど経過した。
「さて、そろそろ出来た頃か」
「えっ...俺外で待ってちゃダメですか...」
「ダメだ。少年の装備だろう?」
ですよねー。
ガチャ
恐る恐るドアを開ける。
大丈夫そうだ、入るとしよう。
「お邪魔しまーーーーッ!?」
ドスッ
俺の頭上10センチメートルを斧が飛んで行き、ドアの上に突き刺さった。
「...何をしている、早く入ってきたらどうだ」
横暴だ。
◯
「...筋力1で使える装備なんか初めて作ったが」
そう言って彼はカウンターに装備と剣を置いた。
「まずは飛竜の皮で作った装備だが...軽さを重視したから従来品のデチューンになる。申し訳ない」
黒いスーツのような装備である。
「まあ問題無いだろう。性能は?」
ジンさんが腕組みをしながら言った。
「...[特I級]の魔物でも1発は耐えるだろう」
「[特I級]...?ああ。[B級]の事か。それで要求筋力1なら」
「...間違いない。要求筋力あたりなら最高傑作だ」
「さすがクレイグだな」
相変わらず眠そうだが、なんとなく嬉しそうだ。
「...次、剣だが一つ言わせてくれ」
ジンさんを半目でジロリと睨む。
「...中性子金属を用いてどうやったら筋力1の武器を作れるんだ?」
「行けないのか?」
「...無理に決まっている。だからアダマンタイト合金を使った」
「ああ。軽くて硬いからな。...ってお前、鍛治も出来たのか」
その剣は灰色がかった白色だった。俺でも簡単に持ち上げられる。
「...良さそうだな。価格はそうだな、65,000イースで良いぞ」
...あ、おかねないや。どうするんだこれ...?
「金なら教会が出してくれるから大丈夫だ。教会あてに請求送っておいてくれ」
「...了解した」
早速装備して帰宅。スーツを着ているような感じである。
「うん。バッチリだ。これで明日から訓練参加できるな」
「そうですね!ありがとうございました!」
よし、明日から頑張...明日?
「えっ明日からなのーーーッ!!??」
俺の声が夕暮れの商店街に響き渡った。
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