秋葉原
二章の開始です。
白鳥たちは夜通し歩くことで秋葉原へ入るための入り口を発見。ガードに少し阻まれたが問題が解決したということで明朝には中に入れることになった。白鳥たちは階段を下がって行く。やがて突き当たりにエレベーターが鎮座していた。エレベーターと言っても普通の街で見かけるタイプではなく近未来を彷彿とさせる丸型の大きなエレベーターで筒状なものと一緒に覆われている。エレベーターは真ん中に設置されており半径数十メートルの空間。ベンチが四つほど置かれている。
「これが入り口って楽だけどさ。36人乗りとかそんなに出る人いないでしょ」
「人間くだらないところに力入れるもんだからな」
「あなたが言うと説得力があります。みじんこ東野さん」
「丁寧な口調で罵らないでくれませんがねぇ」
東野が牧野に弄られている間にスイッチを押すと五分後に扉が開いた。八人入ってもかなり余裕のスペースがある。さすが36人乗りである。
「うわぁ、すごい景色だね」
エレベーターは外が見えるようになっていたの景色が見える。昔の東京をイメージさせるようなビルの数々。アニメやゲームのイラストが所々の貼られている。これぞザッ、アキバという街並みであった。
「ここが秋葉原……不思議な絵がいっぱい・・・なんか色々ありそう♫」
「なんかウキウキしてんだけど」
「現実を直視するまでそのままにしておくといいです。その方が面白いです」
「牧野さんなんかもう隠さなくなってきたね」
「ふふふ、もっとはっちゃっけてもいいんですよ」
「「ノーセンキュー」」
牧野の黒い笑みを前に興奮している白鳥以外の全員がノーと答えた。これ以上派手なことをしでかすのは勘弁していただきたいと牧野以外は思うに決まっていた。
「でも結構早いです。もうすぐ地上に着きそうですよ。それとこの周りの透明な板上のはマジックミラーですか。スカートの中身を見られる心配はないということですね」
「な、なんだと!」
東野が壁にドンとウキウキ両腕をぶつけて悲しげな表情で徐々に倒れていく。ぶっちゃけ何を考えていたかよくわかる。
「もしかしたら女子のおパンツ覗けると思ったのに!!」
「はい、死語は慎みなさいバカ」
「ぷげら!!」
白鳥は景色から離れたと同時に東野の背中に蹴りを入れる。東野の顔はなぜか恍惚とし気持ち悪いと白鳥を含め女性陣が離れる。いや、男性陣も少し引いていた。
「おい、そこの野郎ども。パンツは男のロマンだろうが!!」
「だからと言って口に出す変態にはどう接したらいいかわからない」
「僕も同じかな。男として言葉には出さない方がいいと思う」
「このムッツリどもが!! 男がオープンで何が悪いか!!」
「開き直るな」
ゴス。
「ごぶぅあ、あの蹴らないでくれます? あなたに蹴られるとなぜか気持ち良くなってしまうのですが」
「変な性癖に目覚めるな」
ゴスゴス。
「ありがとうございやーす」
「もう手の施しようがない。仕方が無い、諦めるとしよう」
「白鳥も白鳥だな。なんだかんだで楽しんでそうだ」
「いやーなんかいい踏み台見つけた感じ。でも気持ち悪いから今日だけ」
ゴスゴスゴスゴスゴスゴス。
「おふ、おふん。いい、そこもっと」
「き、気持ち悪い」
「お前には言われたくないね」
「いきなり素に戻った!」
ガバッと東野が立ち上がる。どうやら八名の言葉で我に返ったようだ。
「あっ、着いたようですよ」
あくまでマイペースを貫き通している牧野がエレベーターの前にスタッと清楚な雰囲気で立っていた。
牧野が言っている通りに扉が開ききっている。エレベーターの方は人が一度降りるまで閉じない仕様なのか閉じないようで安全面には配慮されているようだった。
エレベーターを降りた白鳥たち一行は街の大きさに驚く。まさかこの時代にここまで大きな世界があるとは思わなかったとばかりに。
「それでどうする。まずは宿を探すか?」
「仮眠も取りたいところだけどこの街の何処に何があるかわかるの?」
白鳥が皆に聞くと首を振られる。どうやら誰一人地形に詳しい人がいないらしい。こらは困ったぞというところで「すいません」と通りすがりの人に話しかけられる。髪はショートで服装は白と黒のメイド服を着込み手を前に組みながら出迎えのようなポーズで立っていた。
「メイド? ……私たちこの街について何もわかりませんよ?」
「そこは心配なさらず。そういう要件ではないです。天堂衣 霞様を探しているのですがエレベーターにはいませんでしたか?」
「天堂衣 霞? まさか現在トップ独走のアイドルの霞ちゃんか!」
東野が驚きのあまり声を上げる。
天堂衣 霞。公式設定では年は白鳥と同い年。髪は日本人らしからぬピンク。胸も大きく童顔な顔立ちとルックスの良さ。歌唱力の高さもあるアキバのアイドル。他に勉強は苦手とあるが真実は定かではない。
「はい、その霞様です。いきなりなんかビビッときたと意味不明なことを言って出て行かれてしまったので」
どうやら直感に頼るような性格らしい。
「そのようなわけで心当たりはと探しているわけです。見たところあなた方は琴原学園の生徒のようですから。この場所にいるのは特別クラスに入っているからでしょうか」
「制服から判断したってことね。それでその歌姫様の行方を一緒に探させようと」
「察しがいいですね。話しかけた時点で理解していましたか。容姿は言わずともわかりますね。なんせトップアイドルですので特徴とかはバッチリでしょう」
「俺は完璧だぜ。お前たちはどうなんだ?」
「私は知らない。牧野はどう?」
「私も知りませんね」
「もちろん私たちも知らないな」
「おうよ」
「おやおや、霞様の知名度もまだまだのようですね」
まさかここまで知らないな人がいるなんで思わなかったのかメイドがピクピク眉を動かしている。
「僕は知っているよ。あのピンク髪の女の子だよね。一年前に勉強したからわかるよ」
「そうなの? 伊賀は?」
「一応……知っている」
「このミーハーのにわか忍者が!」と白鳥は言いたいがそこはスルーをすることにした。藪を続かない方がいい。
この後すぐにメイドが口頭で適当に伝えた。
「それでは失礼しますね」
メイドは頭をぺこりと下げ瞬時に消えた。……あちらの方が忍者なのでは?
「じゃ仕方なく班分しますか?」
無理やり押し付けられた感を覚えながらも探すことにした白鳥たちだった。




