表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/87

抜作


「うぉい!今度は仁王立ちでニヤニヤしてるぞ!」

「本格的にキモいな!」

「はっ⁉︎おい!水樹なんか見てないで早く行こうぜ!今頃那由他様の着替えが終わった頃だぜ!」

「ウップス!あんなキモいやつ見てる時間なんか無かったぜ!早く行って、目の保養をしなければ!」

「いざ!我らが天使の元へ!」

「ヒュウィ、ゴー!」


水樹のことを好き勝手言っていたかと思えば、ダッシュで体育館へ急ぐモブキャラ共。

因みに、このダッシュする際誰にとも知れずハンドアクション付きのウインクをするモブキャラ共は、チャラ男でサッカー部だ。

よくいるオシャレ男ってやつだ。

くそ!髪の毛もフサフサと生えやがって!

しかも女の子にもモテモテときた!

むかつくぜー!!


・・・ナレーションに私情を挟むのは御法度だった。

反省、反省。


「俺がこうするだろ、そしたらあいつがこうして、それを俺はこうして、こうだ。」


水樹はイメージを固めるため、机の上で自分の指を人に見立てて、フットサルのイメトレをしていた。

すると、いつの間にかみんなは体育館に行ってしまい、教室に残っているのはキモい水樹と日直で教室の施錠を任されているたけしだけになっていた。


「近藤くん、何に夢中になっているか知らないが、もうみんな着替えを終え体育館に行っている。君もそれに倣ってくれると今日の日直としてありがたいんだがね。」


・・こいつ俺のこと完全に馬鹿にしてるな。

そんな回りくどいネチネチとした嫌味ったらしい言い方されて、はいそうですかと行くと思ってるのかね〜。

この俺相手に!

自慢じゃないが、俺のクズさはアルバイトで鍛えているだけあって筋金入りだぜ!

ん?なんのバイトしてるのかだって?それに中学でバイトはオッケーなのかだって?

それは時間のある時にじっくりと話してやるよ!

多分。


「いや、なに、今かなりいいとこなんだよねー。ほら、こう、ね!」


さっきよりも指を素早く動かし、如何にもいいとこ感を醸し出す水樹。


「・・よくわからん!というかどうでもいい!サッサと教室から出てくれないか!君がいると何時までたっても施錠出来ないんだよ!それに那由他様の御御足を拝見出来ないんだよ!」


今本音でましたね。

那由他の御御足だってよ!

傑作、傑作!

この、抜作めっ!

完全に欲望丸出しやないかい!

よくも、まあ、こんな奴が那由他ファンクラブの幹部にまでなれたよね。

こんな邪な心でさ。

こいつに昨日のことを話すか?

もちろん魔法対決のことではないよ?

その前のくだりのことだよ?

みんな憶えてるかな?

最初の方で那由他と教室で雑談してたシーンなんだけど。

その時に俺は那由他の御御足どころか、ガーターベルトやら、おパンテイやらを見た訳だ。

そんな那由他ファンクラブのメンバーなら全財産を賭けてもやりたいイベントが昨日あったと委員長が知ったら?

しかもそのイベントに遭遇したのが、目の前にいるうつけ者だとしたら?

どういう反応をしてくれるのか?

きっと人格が破綻して、発狂の一つや二つするのではないか?

・・こいつのことだから、本当にやりかねない。

下手をすると、俺に襲いかかってくるかとしれない。

今の俺なら身体強化魔法で軽くぶっ飛ばせるけど、加減間違えたら全国の報道関係を騒がせる大事件に発展しかねないしなー。

・・やっぱ、話すのはやめとこう。

メリットより、デメリットのほうが多そうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ