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告げ口


「・・行ってしまったわね。」

「ああ、そうだな…。本当無責任というか、適当だよな…。」


ハハッと二人は乾いた笑い声をあげる。


「これから、どうしたもんかしら。」


二つ名が、”流石の那由他”も、今の状況には困惑というか、唖然としている。


「取り敢えず、・・・帰るか。」

「そうね。」


ここで一旦間が空き、二人は無言で歩き出す。

各々、今日起きことを現実と捉え、余りに非現実的な現実を受け入れる作業をする。


『今日は間違いなく、今までで一番エキサイティングな日だったわ。放課後は水樹と戯れ、その後子供の頃からの夢だった、水樹のご主人様になれた!

それから、得体の知れない神父に殺されかけたところを、悪魔の女王様に助けられ、魔法を使って神父さんを殺しかけたのよね。

改めて考えると、急展開過ぎよね。1日にこんなに沢山イベントしなくても、いいじゃない。1日目は、水樹のご主人様に。2日目は神父さんとバトル、ぐらいが本当はいいのよ。ごちゃごちゃしなくて済むし。それなのに、この作者は頭が悪いのか、構成のことを何も考えずに書いたのか、もしくはその両方か…。

両方ね、間違いなく。

でも、今更書き直そうという気はサラサラ無いようだし、掘り返すのはやめておきましょう。

これ以上禿げると、かわいそうだし。』


などと、那由他が考えをまとめている頃、水樹も同じく考えをまとめる作業に没頭していた。


・・よし!今だ!


〈ナレーション〉

【那由他さーん!ご報告があります!】


「何よ?ナレーションの分際で。」


〈ナレーション〉

【もの凄く重要な案件です!実は、那由他さんが神父さんとバトルしてる間に…。】


「勿体つけず、サッサと言いなさい!カイザー禿げ頭!」


〈ナレーション〉

【この禿げイジリもクセになってきたなー。

じゃなくて、那由他さんと神父さんがバトルしてる間に、この物語の主人公である水樹さんは、気絶した尼僧のパンツを拝み、乳を揉んで、揉んで、揉みまくっていました!】


「・・・へっ⁉︎何言ってるの?本当なの?」

那由他は余りの驚きに、素っ頓狂な声をあげる。


〈ナレーション〉

【もちろん本当のことです。これ証拠です。】

ナレーションさんは、証拠として、水樹が渚の乳を揉んでいる場面を見せる。


「・・・情報提供、感謝するわ。」

那由他は、やおら隣を歩く水樹に向き直る。

脳内では、竜巻旋風脚のイメージを固めている。


〈ナレーション〉

【ぐふふ。狙い通り面白そうなことになってきやがったぞ。主人公の分際で乳揉みなんて、10年早いんだよ!この変態野郎が!くたばれ!】


上のやり取りは、水樹が考えをまとめている間に行われたものである。

それでは、物語の続きである水樹の考えごとのシーンをご覧下さい。



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