チョメチョメの神秘
「本当にいい娘だね那由他さんは。これなら、大丈夫そうだね。リリー。」
ブレイドさんが、那由他の中でチョメチョメしていたリリーを呼ぶ。
すると、すぐさまチョメチョメを中断し、霊体となってブレイドさんに抱きつくリリー。
リリーが那由他の身体から出ていった直後、那由他の身体は元の中学生ボディへと戻る。
・・少し残念。
だが一つ、リリーに対しての俺の感想を述べさせてくれ。
うぉっぱい!!!!
ふー、スッキリした!
「僕とリリーは一旦、元の世界に戻るよ。あんまり長いこと元の肉体を放置しておいて、ゾンビみたいに肉体の一部が腐るといけないからね。またこの世界に来れるようになるまで、二人で乗り越えるんだよ!」
なんだか不安になるようなことを捨て台詞に、サッサと元の世界に戻ろうとするブレイドさん。
「ちょっと待って下さい、ブレイド様!」
うぉっぱい、もとい、リリーがブレイドさんを静止する。
リリーさんがやらなかったら、俺がやっていたところだ。
もしくは、ナレーションさんが。
だって、そうだろう?
さっきからずっと後ろを着いてきている羽つきの幼女を、どうするかを決めないと。
「ブレイド様。あの娘はボクの大切な友達なんです。一緒に連れていくことをお許し下さい。」
上目遣いで懇願するリリー。
凶器だな、あのうぉっぱいは。
「ああ、すまない。スッカリ、うっかりしていたよ。もちろんオッケーだよ。一緒に行こう。」
ルシファールの方へ紳士的な振る舞いで、手を差し出すブレイドさん。
こんな色男に手を差し出されたら、手を取らない女性はいないな。
パシッ!
差し出された手をはたき落とすルシファール。
・・・いたな。
案外近いところに。
「お前がブレイドか!リリー様を誑かし、ルシファールとリリー様の仲を割いた罪、償ってもらう!」
さっきまで、お人形さんみたいに可愛く静かにしていたルシファールが一変。
ブレイドさんに話しかけられた瞬間、臨戦態勢をとりだす。
そして、あっという間に富士山でも吹っ飛ばせるほどのデスボールを頭上に作り出す。
なるほど、
「「お前だったのか!!あの馬鹿でかいボールを投げてきたのは!!」」
俺とブレイドさんが同時に叫ぶ。
それはそうだろう。
あのデスボールでこっちは死にかけたのだから。
実際、六合の終が無かったら死んでるし。
「覚悟!」
ルシファールがデスボールをブレイドに向かって投げるモーションをとる。
なあ、俺思うんだけどさ。
この至近距離で、こんなもんぶっ放されたら、ブレイドさんだけじゃなく、俺らも死ぬんではないですか?
ねぇ?そこらへんどうお考えですか?