え〜し〜♪
やあ、俺の名前は近藤水樹。
中学三年生、独身。
最近変な夢に悩まされ、幼馴染みには下僕扱い、
色々悩みの多い、しかし普通の中学生だ。
正確にはだった、だが。
前置きはこのくらいにしておいて、
いきなりだけど俺は今、かつてないほどの危機に立たされている。
この危機に比べたら、渚とかいう変態尼僧との闘いなんて、朝食前の歯磨きみたいなもんだ。
ん?相変わらず意味のわからない例えだって?
そこは大目に見て欲しい。
例えなんて気にしてる場合ではないんだ。
今物凄く慌てているんだ。
なんで、こんなことになったんだろう…。
そう、思えばあの時あんなことをしなければ・・・。
*回想に入ります。
「今日はとんでもな日だったよなー」
今は帰り道。
後始末はナレーションに押し付けた、水樹たち一行は、そのまま飛んで帰ることも考えたが、その途中で神父さんの結界魔法が切れることを危惧し、徒歩での帰路についている。
(一般人に飛んでるとこ見られたら、研究施設に連行されちまうからな。)
「そうね。1日に何回も死にかけたのは初めての経験だったわ。」
「だよなー。俺なんか両手吹っ飛んだぜ!」
「えっ⁉︎吹っ飛んだって、取れたってこと!」
普段は表情を余り変化させない那由他が、大きく目を見開く。
「そうそう、片方は薙刀で斬られて、もう片方は、変な剣の柄握った瞬間吹っ飛んだ。薙刀はともかく、剣のほうはどんだけツンデレなんだって話だよなー。」
全く傑作だよな、
あははは!
あはは!
あは・・・、
はぁ???
「ちょっと見せなさい!」
水樹の腕が吹っ飛んだ話を聞いた瞬間、急に那由他が水樹の洋服を脱がせにかかる。
シャツのボタンが上から一つずつ外されていく。
「や、やめろよ!こんな公共の面前で!やっ、あっ、御無体です、ご主人さま〜。」
スポポ、ポーン!
水樹はあっという間に脱がされた。
腕が見たいなら上だけでいいと思うが、何故かズボンまで脱がされた。
男、水樹。
いつ切れるとも分からない魔法に怯える、中学三年生。
現在訳あって、パンイチです。
「あんた、本当に腕とれたの?」
1分くらい水樹の腕を観察し、触りまくり、匂いを嗅ぎ、味見までして、何処にも接ぎ目や、傷痕を確認できなかったからか、水樹の話を疑う那由他。
観察、お触りまでは、那由他がやっただ
ろうが、匂いを嗅ぎ、味見したのは恐らくリリーだろうということを、ナレーションとして、説明しておく。