幕間2
ここでは特に理由はないが、本編に掲載されなかった、水樹とブレイドさんのやり取りの一部を掲載しておこうと思う。
「 いーっぱい、オーッパイ、ドラゴンボール♪」
現在水樹は、飛行魔法で那由他のとこへ向かっている途中である。
《水樹!今すぐ止まるんだっ‼︎》
「なにごとっ⁉︎」
ブレイドさんの鬼気迫る声に急停止する水樹。
「敵か!」
那由他達はまだ先だと思うのだけど、案外近かったのか?
《いや、敵ではないよ。》
「だったら、なんで急に止めたんだよ?急がなきゃだろ?」
《・・・1つ、重大なことを忘れていたんだ・・・。》
遠出先で、家に忘れてきた財布のことを思い出したような、ある種の絶望色の混じった声でブレイドさんは言った。
「な、なんだよ・・・。」
俺はその声を聞くだけで、今からとても重要な、この物語の核心に触れるようなことを言うぞコイツと思った。
何を言われてもいいよう、覚悟を決める。
《それは・・・、まだ、僕のサービスカットが描写されていないんだっ!!読者の皆様があんなに期待していたのにっ!!》
「・・・・・・こい、六合の終。」
呼んだら現れる、忠犬ハチ公のような剣がブゥゥンと鈍い音を伴い現れる。
「確か明確に斬るイメージだったな。上手く中のブレイドさんだけ斬れますように。」
水樹はしっかりとブレイドさんのみを斬るイメージを固め、六合の終を自らの首にあてがう。
《ちょ!ちょっいー!ちょっと待つんだ!早まるな!本気で死ぬ!いくら、制覇者でも死ぬから!》
「何言ってんのさ、殺そうとしてるんだから、死ぬのは当たり前だろ?」
《あれ?水樹、さっきまで人殺しは反対していたじゃないか!》
「・・・人はな、時に自分の信念を曲げてでも殺らなければならない事があるんだよ。」
《うん!分かる!分かるよ!でも、その時は今ではないよねっ‼︎僕殺されるようなことした⁉︎殺されるどころか、むしろ、ギャランティーが発生しないとおかしいよ!制覇者のチンコだよ!誰もが見たがっているはずだよ!テレビで放送したら、視聴率100%確実だよ!》
水樹は無言で、自分の首に刃を食い込ませる。
《痛い!痛いから!少し斬れてるから!やめ!やめてっ!死ぬ!死んじゃう!…あっ!生まれ変わるなら人間に…。》
グッ!
《すいません!すいません!もうふざけません!真面目に生きます!水樹の言う事なんでも聞きます!だから、許してっ!》
「ほう?何でも聞く?」
《やっぱり、何でもは…。》
グッ!
《なんでも聞きます!聞かせていただきます!だから何卒、何卒ご慈悲を!》
「よしっ、何でも聞くんだな?」
《何でも聞きます!ご主人様!》
なんか変な展開になったが、この展開は俺得だぞ。
制覇者のブレイドさんが何でも聞いてくれるんだってさ!
何を聞いてもらおうかなー?
うーん、真っ先に億万長者が思いつく俺ってどうなの?
平凡?平凡だよね?
それに、そんな願いは小説で書いても盛り上がらないこと請負だよね。
だったら、
復讐か。
そうだな、復讐だな。
誰にって?
もちろん那由他だろ?
あいつ、今日だけでも、俺に延髄チョップ、目つき、金的キック、土下座からの踏みつけなど、理不尽な暴力のオンパレード。
みんなはこの物語が今日から始まってるから知らないだろうけども、殆どこれだけのことが日常的に繰り広げられているんだからな!
まあ、中には那由他からのひどい仕打ちを見て、謎の嫉妬心を燃やす男共がいるが、本当代わってほしいよ。
(代われるものなら代わりたい!byナレーション)
俺は幼馴染みに暴力を振るわれて喜ぶような変態ではないからな。
《で、決まったかい?願いは?》
「決まった!俺は那由他に復讐したい!」
《えっ⁉︎ハーレムとかじゃなくていいの?エロゲの主人公になりたいとかもいいの?億万長者は?世界征服は?》
「その中ではエロゲの主人公が一番惹かれたけど、その願いにすると、この物語が一気に18禁になるからやめとくよ。」
本当はエロゲの主人公になりたいけど。…くそっ!憎い、大人の事情ってやつが憎いよ!