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永遠の舞踏会

「くっ⁉︎あんた本当に何者なの?制覇者の幽体を体の中に入れても、平気だし、あのなんかヤバい剣も使うし、魔法の存在を今日知ったくせに、使えるし。組織からは異世界から来る奴らが、第一級抹殺対象だって言われてるけど、あんたのほうがヤバいわね。異常よ。」


ふ〜。

常人には天才のことは理解出来ないと言うが、本当らしいな。

俺が異常?

天才の間違いだろ。

並みのやつとは器の大きさが違うのかなー。


「なっはっはっ!俺様の強さを思い知ったようだな。だったら、悪いことは言わない。降参されよ。俺様も悪魔ではない。心配するな、悪いようにはしない。少し揉むだけだ。」


水樹は小さなきっかけですぐ調子にのる、友達にしたくない性格の持ち主であった。


「いえ、事情が変わったわ。何がなんでもここで死んでもらう!」


やはりダメージは無いのか、先程と変わらないスピードで突っ込んでくる渚。

水樹は切り札級の魔法を発動させるタイミングを計る。


後、瞬き一回くらいで、刀の射程に入る。

・・・今だ!


「刹那は降り積もり、永久と成り果て、流れる時はせき止められる。『永遠の舞踏会(エターナル・バッロ)』」


今度は正式に時間伸縮魔法を発動させる。

水樹以外の時間が伸び、周りがスローモーションになる。

それで、初めて気付く。目の前にクナイのような暗器が浮いていることに。


「…け、計算通り、飛び道具を使ってきたか。」


いや、あっぶね〜。

後一瞬でも魔法の発動が遅かったら、心臓にクナイが、

ん?

よく見たら丁寧にも刃先に毒らしきものまで塗ってあるぞ。

そしたら、心臓に毒つきクナイが刺ささっていたことになっていたわけか…。


《水樹、一ついいかい?》

「なに?」

《この時間伸縮魔法は上級者向けと言ったよね?ということは、魔力の消費がすごいわけだ。例えるなら。ビームが軽自動車だとすると、この時間伸縮魔法はさしずめ宇宙戦艦と言ったところになる。そして、水樹の魔力は今どこから得ているか?それは全て僕からの供給によるもの。だから、後どのくらい魔力残量があるのか分からないし、気にならないのも無理はない。よって、お伝えしておこうと思う。水樹、僕の魔力はもうそろそろ空になる。そうなると、勝ち目はほぼなくなる。だからその前に勝負を決めてくれ。》

「そうなのっ⁉︎分かった!任せなさい!」


確かにこの無敵魔法が使えなければ、ハゲ尼僧の動きについていくことは出来ない。

勝負を決めるには今しかないということか。

でも、どうやって勝負を決める?

殺すのが手っ取り早いのだろうけど、それは論外だ。

だとすると、気絶か。

思いっきりこの刀で頭叩く?

いや、力加減間違えると死ぬな。

これも却下だ。

マンガみたいにうなじを手刀で?

やるのはいいけど、気絶してくれなかったら反撃で死ぬよね。よって、却下。

うーん。チョークスリーパーが確実だよなー。

友達相手だけど、気絶させた経験もあることだし(良い子は真似しちゃダメだぞ!)


《いや、水樹。チョーク極めてる間に魔力が切れる危険性があるよ。》

「でも他にいいアイディアがないんだよなー」

《そんな水樹さんにいいアイテムがありますよ!》

「本当ですかー?」


でた!

いつかのテレフォンショッピングのノリ!


《はい!しかもそのアイテムとはなんと!送料、分割金利、値段までもゼロ円!ゼロ円なんですー!》

「わぁお!そんな夢のようなアイテムがこの世知辛い世の中にあるんですか⁉︎」

《あるんです!そのアイテムの名前というのが…六合の終です!》


「・・・・・・。」


《…です!》


ふ〜。


「…ブレイドさん。」

《な、なんだい、水樹さん?》

「俺はさっきから言ってるだろ?殺すのは無しだって。あんなデンジャラスじーさんみたいな剣使ったら、死ぬだろ!絶対!」


あんな剣あったら、誰でもモーゼになれるわ!

誰でモーゼだわ!


…ドラえもんの道具か!


…少しは笑ってくれてもいいだろ!


……みんな、冷たいね。


《いやいや、水樹は誤解しているよ!あの剣はなんでも斬ることが出来るけど、常になんでも斬るわけではないよ。使い手が斬ると決めたものだけを斬るんだ。だから、水樹が渚さんの意識だけを”斬る”ならそれ以外は斬れないはずだよ!》

「でも、さっきはデスボール以外にも雲とかも斬れてたじゃあないか。」


バーン!

ゴゴゴゴ!


《それは水樹がデスボールを斬るというよりは、目前の脅威を”斬る”と思ったからだよ。目前の脅威なんてアバウトな考え、ほとんど全部斬るに等しいからね。デスボールの先の先まで斬ることになったんだよ。》

「そうなのか?あの時なんかうまく言葉に出来ないけど、変な感じがしたんだ。こう、蝕まれるっていうか、侵食されるっていうか。全部壊したいっていうか。」

《…そ、それは大丈夫だよ!なんせ、何年も身につけていた僕がなんともないんだから!そんなことより、早くしないと魔力が切れてしまうよ!》

「そうだな。ここは他に方法がなさそうだし、ブレイドさんのことを信じるか。」


なんか誤魔化されている気がするが、

水樹は六合の終を呼ぶため、あの恥ずかしい呪文を唱える。


「世界の理から外れ、幾星霜の彼方よりその任を果たせし時を待ちし御神刀よ!主人たる我が命を聞き、その役目を果たせ!ここに顕現せよ!”六合の終”‼︎」


呼びかけに応え、目の前に現れる六合の終。


《水樹、それさすがに2回目は笑えないからもうやらなくていいよ。》

「やらなくても呼び出せるのか⁉︎」

《勿論だよ!来い!六合の終!ぐらいで来るよ。》

「そうなのかっ⁉︎初めから教えときやがれ!てめーのおかげで、無駄に忸怩たる思いで一杯になってしまったじゃねーか!」

《ほら、水樹。早くやらないと魔力が切れるよー。》


さっきから魔力切れる切れるいって切れないじゃないか。

今更だが、さっきまでのやりとりをする時間があったら、チョーク極めることが出来たんじゃ?



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