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忘却の炎



《ブレイドさん。その話は俺には難しいよ。…どうしたら、止めてもらえるのかな?》

「水樹が殺ればかな?」


殺る一択なのね。

でも、


《何回も言うけど、あの変態は殺さない。ハゲでも笑うと綺麗だと思うんだ。》

「…水樹はあんな、あんなどうしようもない贋作にも情けをかけるんだね。でも、これから水樹には僕の仕事を手伝ってもらわなければいけないからね。諦めてもらうよ!」


ブレイドさんが渚に向け、急落下。


「なになに⁉︎降参って言ったのに!」

渚は慌てて回避。

斬りつけられることは免れたが、武器を手放していたため、無手である。

ブレイドさんは先ほどまで渚が立っていた場所に着地。

そして、すぐに足元に転がる薙刀に向かって魔法を飛ばす。


「識者暴き、織者は解く。『魔法解除(マジックキャンセル)』」


ブレイドさんの放った魔法が薙刀に当たると、薙刀が一瞬光に包まれる。

そして、光のベールが消えた時、さっきまで威風堂々としていた薙刀が、変わり果てたボロボロの姿で現れる。


「あんた!降参って言ってんでしょ!止めなさい!」


渚にはこれからブレイドさんがやろうとしていることが分かったのだろう。

その証拠に素手でブレイドさんに殴り掛かろうとしている。

しかし、少し遅かった。


「忘却こそ真理。願うは焼滅。『忘却の(オブリヴィオンフレイム)』」


ブレイドさんは続けざまに二発目の魔法を薙刀に放つ。

その魔法は掌から火の玉を放つという、ドラクエでいうところの、メラぐらいの簡単な魔法に思えた。

だが、火の玉が薙刀に触れた瞬間、空を突き上げる程の火柱が上がり、その火柱がすぐに収束して消える。

跡形もなく。

薙刀と一緒に。


「っ⁉︎あんたっ!なんてことするの!」


俺もそう思う。

いきなり殺そうとしたり、人の物を勝手に燃やしたり。

ジャイアンでも、もう少し可愛げあるぞ。


「これでもう武器は無いよね。見た所君は強化系が得意のようだからね。武器が無かったらどうしようもないだろう?」


悪い顔してるだろうなー今のブレイドさん。

やってやった感で心の中いっぱいだもんなー。

渚の顔が凄いことになってるし。


「あんたは知らないだろうけどね、あの薙刀は巴御前が生前から使っていた薙刀で、国宝に認定されてんのよ!いくらすると思ってんの?億よ!億!」


あっ、そこなんだ。

てっきり、凄く思い入れのある武器だから、あんなに怒ってらっしゃるのかと思ったら、単純に高いからなのね。


「それは高いな⁉︎お詫びに僕の体がここの世界に入れるようになったら、宝物庫から適当に高そうな宝石を持ってくると約束するよ。それで許して!ね?」


ブレイドさん!

今の今まで殺そうとしてた相手ですよね!

そして、ブレイドさん!

俺の分も持ってきて!

箱ごと!


『私のも持って来なさい!』


ん?

今一瞬那由他の声が聞こえたような?


「わかった!許す!」


ちょろい女だなー。


《あれ?ブレイドさん。ということはこの変態尼を殺すのは諦めてくれたんだね。》


だって、殺したら宝石渡せないしな。


「そうか⁉︎忘れてた!殺すんだった!よし、渚さん。悪いけど今の話は無しで。水樹もまだ見ぬ那由他さんも無しで」


やっぱり馬鹿だな。

しかし、俺はこいつに殺意が芽生えてきたぜ。

変な期待させやがって!


『あんたと、一緒なのが気に入らないけど、今回ばかりは同感ね。』


ほらぁ!那由他さんも怒ってるぞ!


「はぁぁ?何言ってるのぉ?いまさら無しなんて……

まかり通るわけねぇだろぉーー‼︎」


鬼のような形相でブレイドさんに殴りかかる渚。

一番怒ってるのはハゲ尼僧だったようだ。

あいつ本当に出家してんのか?

煩悩丸出しじゃねぇか!

これは神父さんに引き続き、コスプレ疑惑出てきましたよ。



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