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ぐしぐし神父さん


「私は、神父も、し、しているからなっ。柔な鍛え方は、っ⁉︎しておらん、ぐっ!」

すっごく痛ましい。

血とか出まくり。

口から出血大サービスって感じで出てるわ。

・・・ざまぁw


「よしっ!止めさしますか!」

容赦の欠片もないのか、苦しんで血塗れになっている神父さんに向かって人差し指を向ける。

「えいっ!」

掛け声と共にリリーの指先から氷の弾丸が飛ぶ。

めっちゃ飛ぶ。

マシンガンっスかってくらい飛ぶ。

マジ容赦無い…。


「ぬうんっ!こそばゆいわっ!」

口から血飛沫を飛ばしながら、神父さんが刺青の効果を発動させると同時になにかを呟く。

リリーの攻撃は全弾命中したが、全弾刺青効果で消滅する。

「へー、まだそんな力が残ってるんだー。

てっ、あーーっ⁉︎」

さっきの攻撃で殺せなかったのはまずかった。

完全に考慮してなかった。

こんな当たり前のことを。

真っ先に封じておくべきだった。


「完治っ‼︎」

死に体だった神父。

今ではすっかり元気百倍。

…神父だもの。

当然使えるよね、回復魔法。


「ごめん、那由他っ!パス!」

神父が完治したと見るや、引っ込むリリー。

要所、要所では出てくるけど、すぐ引っ込むのよね。

私の体ことを気遣ってくれてるのは嬉しいけど、いきなりすぎるのよね、出てくるのも引っ込むのも。

…すでに慣れたけど。


「しょうがない、ここは一つ頑張ってみましょう。」

今、リリーの攻撃を防ぐために 刺青の効果を使った。

となると、攻めるなら今が好機。

「見よう見まねマシンガン!」

神父の周りを旋回しながら氷弾で攻撃。


それにしたって、本当にこの子、魔法のセンスえげつないわー。

見ただけでマネ出来るとか、コピー忍者カカシかっ!


「ブローーーック‼︎」

神父がブロックの魔法を体全体を使って発動させる。

あれだ。

ん〜はっ!って感じだ。

セルがやってた感じだ。

それにしても、やっぱり綺麗な球状してんのな。


「ふふっ。いつまで我慢できるかしら?」

表情に完全なサドっけを湛え、攻めまくる那由他。

いつにも増してどSなその表情は百戦百勝の神父さんをしても、ゾクっとするほど凄惨的だ。

うむ。

ドMさんには堪らない表情だ。

那由他さん!

罵倒して下さい!

罵って下さい!

踏んで下さい!

ムチを下さい!


「ちょっとやり過ぎたかしら。」

氷弾を撃ちまくっている途中。

神父さんのブロックが衝撃に耐えられず、崩壊したのを確認したことをいい事に、更に張り切って撃ちまくった那由他。

流石に疲れたのか、肩で息をしている。


《っ⁉︎まだだよ!那由他!》

リリーが警戒色を含んだ声色で警告する。

その声に、

神父の異様な雰囲気に、

何かを感じとった那由他は咄嗟に距離をとる。


「ーー、我、禁忌の輪を俯瞰する者!我、世の理の下僕にして、従属者!この身に流るゝ血水(けっすい)を対価に、同胞(はらから)を縛る鎖を!忌むべき者を蹂躙するための楔を!『二重召喚(デュアルサモン)‼︎』

神父さんの魔法が発動する。

すると、那由他に撃たれまくって流れ出た神父さんの血が、魔法陣を形成していく。


《あれは召喚魔法だねー。てっきり魔術師かと思ってたけど、本業は召喚師だったのね。ということは、あの本は魔導書ではなく、契約書かー。厄介なのが出ると不味いことになるなー。》

台詞の割にどこか楽しそうである。


「そんな悠長に構えてても大丈夫なの?今のうちに攻撃しといたほうがいいのではないかしら。」

《いや、もう刺青のリキャストタイムは終わってるから無駄に魔力を消費するだけだよ。それに人間がどのレベルの存在を召喚するのか見てみたいんだ。》

納得出来ないのか、不満気な表情を浮かべる那由他。

一方、神父さんのほうはすっかり準備が整ったようだった。

いつの間にか、足元だけでなく頭上にも対となる魔法陣が展開されている。


あっ、なんか出てきた。


「出でよ!織天使ルシファール‼︎我らが敵に光の鉄槌を‼︎」


二つの魔法陣が凄まじい光芒を放ち、視界が一瞬ブラックアウト。

神父さんの目を心配しつつ、目が回復するのを待つ。


数秒後。

まだ視界がチカチカするが、目を開け、

正面を、

神父さんを見据える。

何が来ても迎撃せんと。

しかし、

「しまった!私としたことがモロに光を見てしまった!」


…目をぐしぐししてる神父。

あんなオッさんにぐしぐししてるとか、形容させないでよね、気持ち悪い。

ぐしぐしは小さい子供か、美少女にしか許されていない、萌え要素満載の神聖な形容詞なのだから。


あっ!復活したようね。

「今更後悔しても遅いぞ。貴様等は私を怒らせてしまった。その罪は命をもって償わせてやる!殺れっ!織天使ルシファール!その神にも近い威光を我らが敵に見せてやれ!」

そういえば、何が出てきてたか説明してなかったわね。

そうね、一言で言うなら、幼女ね。

それも、とびっきり美味しそう、

じゃなくて、可愛らしい。

でも、やっぱり天使とか呼ばれてるだけあって、羽が9枚生えてるわ。


「イエス、マスター。敵を排除します。」



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