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「嘘でしょ⁉︎」
ボインになった。
背も高くなり、中学生らしかった寸胴体系から、妖艶で蠱惑的なくびれを持つ大人の体系へ。
髪も長くなり、モデルさんも那由他と比べると月とスッポンだと思わずにはいられない。
もちろん那由他が月だ。
もっと想像して欲しいのが服装である。
身体が成長したといっても、セーラー服はサイヤ人が着ている戦闘服ではないので、サイズは変わらない。
ということは、そう!
スカートは極ミニになってガーターは丸見え、上もサイズが小さいのでオッパイは苦しそうに、しかし大胆に自己主張し、綺麗で愛らしいおへそは拝み放題である。
石川五右衛門さんじゃないが、絶景かな、絶景かな。
《お気に召しませんか?》
「お気に召すどころの話じゃないわよ!………ブックマークに登録よ!」
那由他様は大変お気に召したようですな。
いや〜よかった、よかった。
いくら可愛いと言っても中学生だからな。
画的にインパクトが足りないと思ってたんですよ!
これで読者様も満足頂けるでしょう。
それにエロい描写も出来て、ナレーションの腕の見せ所ですな。
普段エロゲで勉強したことを実践する時がきたー!
血が騒ぐ〜!
「ごめんなさい、リリー。今から言うことは気にしないでね。」
咳払い一つ。
「そこで見ている、ベジータハゲさん聞こえるかしら?私たちを見ている暇があったら、自分の頭部でも見ていたほうがいいのではないかしら?今日より明日のほうが確実にハゲているのだし。それに貴方がしたナレーション、あれ一応私たちに聞こえてるのよね。つまり、あんたの性癖丸出しの描写は筒抜けなの。えっ、なに?恥ずかしくて死にたいですって?勝手にしなさい。誰も止めはしないのだから。」
一人暮らしの傷心者に対して言うことが、悪鬼ですらぬいぐるみに見える程の恐ろしさだ。
「よし、これで暫くは邪魔者は消えるはずよ。」
得心がいったのか一つ頷く那由他。
《満足したようなので、そろそろ魔術の使い方講座も次の段階に入るよ。ちゃんとついて来てね!》
声のトーンで楽しんでいるのが分かるリリー。
でも、そもそも私は魔術というものをあまり知らないのよね。
魔法とかそういうものが出る、いわゆるファンタジーな作品を嗜む機会がこれまで少なかったのが一番の要因。
私の中での魔法のイメージはドラクエでいうメラレベル。呪文を唱えて、打ち出す。そんな感じ。
《大丈夫だよ那由他。なにも魔法の原理を伝えるわけじゃないんだ。那由他はただ、ボクを通して魔法を使い、魔法の感覚を摑んでボク無しでも魔法を使えるようにするのが”今日の”終着点なのだから。》
リリー、その言い方だと、後々魔法の事について詳しく説明する予定があるみたいに取れるわよ?
今日のをヤケに強調しているし。
ということは、暫くは付き合いが続くということになるの?
ということはことは、
学生でありながら魔法を使って敵を倒す=プリキュアになるってこと?この私が?
…全く冗談キツイわね。
なんてやり取りをしている間に奴さん(神父さん)はこちらの世界に帰ってきたようね。
さっきまでのアホ顔は嘘のように冷静で平静な顔に戻っているわ。
えっ?なんか喋り方が変ですって?
それはしょうがないことよ。
木偶の坊のくせに変態な作者様は精神的にナレーションが出来る状態ではないの。
私がやるしかないでしょ?
まったく、誰がそんなに追い込んだのかしら。
おかげで仕事が増えたじゃない。