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人非人


時は少しだけ遡る


「まだ心の準備が出来てないのに、いきなりとかあんまりじゃない!」

ひどく赤面したメガネの女の子が、となりになぜかブルマ姿で佇む色々ツッコミどころ満載の女の子にキレる。

第三者から見れば二人は声をかけるのも躊躇われる程の美人さんに見えるだろう。

しかも一方は巨乳ときた。


「あはは、許してよ那由他。後でボクのこと、好きにしていいから♡」

その豊満なワガママホディをくねらせながらウインクなどをする那由他と呼ばれる女の子の友だち。

俺、この子のなら靴の裏でも舐められそうだと思う。

分かってる!

俺は人間のクズだよ!

人非人だよ!

どうしようもない変態だよ!

ナレーション失格だよ!


「本当に?好きにしていいの?マジで!やった!絶対だから!もう絶対だから!この約束違えたら殺すから。」

必死で約束する那由他。

恐らくもう一方の方は冗談のつもりで言ったのであろう。那由他のその必死さに綺麗な顔が少しだけ引きつっている。


・・・・・・。

「もし?」

・・・・・・。


「まあ、それで許してくれるんならしょうがないか。それでね那由他。話は変わるけど、今から話すことは重要だから耳の穴かっぽじってよく聞いてね。」


・・・・・・。

「もし?もし?」

・・・・・・。


「そうよ!私今からあの大変変態、略して大変態と戦わなくちゃなんでしょ?しかも1人で。さっき、私の力全部使えるようにしたから楽勝でしょ?的なこと言ってたけど、どうやってあんたの力使うのよ!コツとか、どこに力を入れるとか教えなさい、リリー!」

那由他は何かと上から喋る。

顔は綺麗だが、心はドブ、おっと失言だ、忘れてくれ。


・・・・・・。

「もし?もし?もし?」

・・・・・・。


「今まさにそのことについて説明しようとしていたところさ。ボクはどっちかって言うと、体術よりは魔術が得意なの。魔術は本当に色んなことができるから、とても今すぐにすべてを教えるのは不可能だよ。だから ー 」

不意にリリーと呼ばれた少女が隣にいた那由他に抱きつく。

少し驚いた様子で咄嗟にリリーの身体を抱き返す那由他。

しかし、抱き返したのも束の間、リリーの身体は那由他の身体に一つに融けるように重なり、消える。


「もし、もしぃぃん⁈」


さっきからこちらに気付くまでは攻撃しまいと声を掛け続けていた刺青神父が、目の前で起きた現象を見て素っ頓狂な声をあげる。

無駄に紳士。


「いったいどうなってるの?」

那由他の疑問も当然だろう。

さっきまで、その体温まで感じていた人がいきなり目の前で消失したのだ。

まったく、神様ももう少し人目を憚って神隠ししてほしいよな。

《驚いた?》

ん?リリーの声が聞こえたよ。

とりあえず辺りを見渡す。

よし、異常無し。

神父さんが変な顔して固まってるけど、あれは暫く放置でいいわね。

《ここだよ、那由他。》

「また聞こえたわ。ここってどこよ?何処にもいないじゃない。」

再度、辺りを見渡す。

やっぱり、神父以外いない。

《見えないのは当然だよ。だって今ボクは那由他の中にいるからね。》

「なんですって⁉︎それは不法侵入よリリー。今すぐ出なさい!」


不法侵入?


《ちょっと待ってよ、那由他。魔術の使い方を短時間で教えるのは不可能っていったよね。でも実際に使いながらレクチャーされると、分かり易いし、覚えやすいと思わない?》


「それはそうだけど…」

でも、私の中に人が居るって感覚はなんだか恥ずかしいわ。

べ、別に思考を読まれて困ることなんかないわよ? そこんとこテストに出るから、復習しときなさいよね!

じゃなくて、誤解しないでよね!

《うーん、あんまり乗り気じゃないね那由他。無理にとは言わないけど、魔法が使えるとこういうことも出来るよ》

リリーが那由他の口を使い、何かを唱える。

すると…



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