変態サイド
場面が変わり、変態サイド。
「また、時間干渉の魔法が使われたようだ。」
先程の戦いで傍観を決め込んでいた、今だ名前が出てこない”エセ神父”が渚に状況報告する。
「…そのようね。せっかく興に乗ってきたのに削がれちゃったわ。」
血が付着していた切っ先を一振りし、血を払いながら答える渚。
「しかし、奴らはまだ遠くへは行っていない筈だ。否、行けないと言うべきか。」
「どうかしら。案外さっきみたいに別次元に移動してるかもよ。」
「いや、その可能性は極めて低いだろう。あのレベルの魔法は魔王クラスの中でも、極一部しか扱うことの出来ない代物だ。そう何回も使用出来るものでも、準備もなしにできるものでもないだろう。」
「ふーん、そうなんだ。私は其の手の知識には疎いから分からないけど、神父さんは出来るの?次元干渉。」
「出来ないことはないが、大掛かりな準備が必要だろうな。少なくとも、準備に一週間といったところか。」
「嘘⁉︎出来るの!今度その魔法で異世界連れてってね♡できれば、骨のある奴等がいっぱいいる世界に!」
「骨のある奴なら、さっきまで居たであろう?早く追わなくていいのか?」
エセ神父が目線だけで、水樹達の行き先を告げる。
「なるほど。とても分かり易いわね。神父さんは行かないの?」
「私はここで、もう1人を待つことにしよう。」
「そう。だったら私はもう少し遊んでくるわっ!」
渚は一直線に学校に向かって走り出す。
水樹が隠れている学校まで続く血の後を辿って…。