表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/87

度胸の塊



「あの、ちょっとすいません。」

2人の間にブレイドさんが割って入る。度胸の塊ブレイドさん。

そして、俺に耳打ち。

「相手は武器持ち、こっちは無手じゃ圧倒的にこっちが不利だよ。」

「んなこと、分かっとるわい!けど、肝心の武器が無いんじゃ、しょうがないじゃん!」

「こんなこともあろうかと用意しておきましたよ!」

通販のノリである。こちらの世界を勉強中に運悪く観てしまったようだ。

「本当か⁉︎それ、貸してくれ!俺も武器持ったほうがテンション上がるから。」


水樹の武器使用肯定の言葉に、一瞬含みのある笑みを浮かべるブレイド。

しかし、そのことに気がつかない水樹。

「しかし、用意した武器が少々いわくつきでして…」

「おいくらなんです ー」

もう、完全に話の途中。通販のノリに乗りかけた途中。渚が堪えきれずに斬りかかる。

その気持ち。今となってはよく分かる!

ギリギリのところで、壁から飛び出る形で脱出。

そのまま渚の後ろをとる。

「すばしっこいねずみさん、可愛いねずみさん。お姉さんとぉ、遊んでよぉ!!!!」

また消える。そして目の前へ。

視認できる頃には、薙刀は振り切られた後。

さっきは前髪を斬られた。今度は ー


「すばしっこいねずみさんには〜、お姉さんがお仕置きしないとね‼︎」

今度は右手。

ちょうど右肩から後が無い。

水樹が斬られたことに気がついたころには、右手は数メートル離れたところに飛ばされていた。


「ー うああぁぁ‼︎‼︎」

飛ばされた右手を見て、斬られたと思った瞬間、ものすごい痛みが襲ってきた。切り口からは血が大量に吹き出し、服を朱色に染めていく。

そして、あっという間に水樹の周りに血の池ができる。


「あは、いいわ!いいわね!いっぱい、いっぱい血が出てるわ!とても痛そう♡あぁ、辛そうな顔をしているわね。可哀想に。かわいそうにねー‼︎」

その場で一回転。

今度は横薙ぎで胴を真っ二つにするべく斬りかかる。

あっ、死んだと思った瞬間、違和感を感じる。その違和感は先程、渚に殺されかけた(最初のこと)時に感じたものと同じものであった。

瞬時に理解し、全力で距離をとる。

てか、逃げる。

ダッシュである。

しかも、ただのダッシュではない。今の水樹のダッシュは世界を制する。スプリンターである。

風の如くである。

時間にして、0.5秒。逃げた先は学校。隠れるにはもってこいの場所。

そして一秒後。

何もない空間を斬る音が学校まで聞こえた。

「ハァ、ハァ、今のは、やばかった…。死んだと思った。」

右肩の付け根を抑え、何とか止血を試みる。しかし、後から後から血が湧き出る。肩口がマーライオンである。

「危なかったねー。腕大丈夫?」

いつの間にかブレイドさんが隣に座っていた。

「はは、ちょっと大丈夫じゃないかも…。なんか、寒いし」

こんな時思い出すのは、血塗れだった那由他の姿。

そういえばあいつの体温も冷たくなっていたな。

「なんか遠くを見る目をしているよ、水樹くん。早く腕直しちゃわないと、本当に死んじゃうよ。」

「治せるのかっ!」

こいつの力は腕が無くても治せるのか。とんだチートだな、こりゃ。

「もちろん治せるよ。ただの怪我なら簡単なんだけれど、腕とれちゃったとなると、少し難しいけどね。」

「なんでもいいから早く教えてくれ!あの変態が来ちまう!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ