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魑魅魍魎プレリュード  作者: はの
プロローグ
1/2

始めの男の記憶

彼は笑っていたけれど、きっと泣いてもいたのだろう。


彼の視点で、彼の命で、ほかならない彼を見つめているのは、紛れもなく俺自身だった。

生命が途絶えた肉塊の上に彼は立っている。愛していたものの肉塊を抱きしめながら、他の肉塊を踏みつけて、嗤う。声をあげて、高らかに嗤う。その声は枯れることを知らず、ただただ彼の嗤う声が響く。血に濡れた鉄臭い空気に、大地にそれは反響して、やがてわんわんと鳴り始める。耳につく煩わしい音は、どこか泣き声にも似ていた。


そう、彼は、

彼は笑ってはいるけれど、きっと泣いてもいるのだろう。


長い時間男は一人でそうしていたけれど、それもようやく終わりを告げる。


男は腕の中に抱いた、愛する者の亡骸を見つめ、心底愛おしそうに名前を呼ぶのだ。


「   」


俺はその名前を言う前に、いつも目が覚める。



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