5:一目ぼれ?
――ヤだ。
すごいカッコいい。
あたしの第一印象。
背が高くって、くっきりした目鼻立ち。
少し茶髪かかってる。
無造作な感じに散らしていて。
トレーナーとジーンズって言う、フツーのスタイルなのに、ばっちり決まってる。
「ゴメンね、待たせちゃって」
「ううん」
ちょっとハスキーボイス。
それも似合ってる。
「コイツ、長坂杜雄。こっちの子は、西村紫音ちゃん」
優斗君が紹介してくれた。
どうしよう……。
遅刻のことなんかどうでもよくなっちゃって。
あたし、一目ぼれしちゃったかも。
「紫音ちゃんかあ。かわいらしい名前だね」
いきなりそんなことを言われちゃって。
あたし、もうどきどき。
「長坂さんも、サッカー部。なん、ですよね?」
「うん。優斗とは練習試合で、何回も会ってるんだ」
――信じられない。こんなにカッコいいのに、彼女さんがいないなんて。
あたし、夢見心地になっちゃって。
ちょっとずつだけどお話し出来た。
もちろん、紗枝と優斗君のサポートもあったけどね。
そして……。
「良かったら。アドレス交換しない?」
そう言ってくれたの!
あたしから切り出したかったことなのに。
赤外線で交換して。
「気軽にメールしてよ。待ってる」
「うん!」
何だか上手く行きそうな予感。
「さて。そろそろ出るか。いい? 紫音ちゃん?」
「うん。うん!」
優斗君が言ってくれた。
あたし、こんなハッピーでいいのかな?
長坂さんが、
「あ。オレのこと『杜雄』でいいから」
だって!
もう、天まで昇る心地って、こう言うことじゃないかな。
今夜、さっそくメールしてみよう。
運命の神サマは、どうやら微笑んでくれたみたい。