15:メール、来た!
自分の部屋に入ったら、大きなため息が出た。
とりあえず、部屋着に着替える。
今日もキメたんだけどな。
ベッドに転がった。ケータイを手にして。
(メール、早くくれないかなあ……)
そんなことを思って、意味も無くケータイをいじくった。
杜雄君からのメールを読み返したりして。
(『彼女』じゃなくて、『友達』、か)
そうだよね。
だって、しつこいけど告っても告られてもいないんだもん。
『友達から始めればいい』
何かでそんなことばを読んだ。
そこから発展出来れば、それでいい。
あたしは杜雄君を信じる、信じてる。
最初に見せてくれた、あの笑顔がある限り、あたしは信じ続ける。
でも。
花園ちゃんって、ホント杜雄君とどんな関係なのかな?
そのこと、メールで教えてくれるかな?
いじくってたケータイを閉じ、あたしは横になったまま少しうとうとして来た。
こんなことがあって、アタマは冴え切ってるのに、カラダが疲れてるみたい。
ムリも無いよね。
目を閉じる。
――ちょっとうつらうつらしてたら、ケータイが震えてた。
慌てて開く。
来た!
杜雄君からのメールだ!
センターキーで開く。
Subは、『今日はゴメン』。
本文は……。
『今日は本当にゴメンね。
突然だったので、驚かせてちゃったと思います。
花園との関係は、今は上手く言えないんだけど、彼女じゃありません。
花園が紗枝ちゃんに言ったように、『家族みたいなもの』なんです。
もしまだ、信じてくれてるなら。
またケーキ屋さんに行きませんか?
そこで話せることを話します。
何と言っても、紫音ちゃんにはキチンと謝りたいし。
明日、また同じ時間と場所で待っています。
レスはムリにしなくて大丈夫ですから。
信じてくれてるなら、どうか来てください。
いつまでも待ってます。
本当にごめんなさい』。