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11/21

11:楽しみだけど……

 その日の夜。

 あたしは明日の小テストに向けて、少しだけ勉強してた。

 落ち着かないの。

 机の上に出してるケータイが、いつ震えるかと思うと。

 メールを送ったのがお昼なんだから、そろそろレスをくれてもいいのに。

 勉強に集中出来ない。

 アタマの中は、杜雄君のことでいっぱい。

(あたしの気持ち、伝えたいのに)

 シャーペンをノートに転がして、あたしは椅子の背もたれに寄りかかった。

 わ! 来た!

 ケータイが震えてる。急いで手に取った。

 ウソ! メールじゃ無い! かかって来てる!

「も、しもし?」

『あ、今いいかな?』

 待ち焦がれた、杜雄君の声。

「は、はい」

『この前決めなかったよね、次』

「はい」

『紫音ちゃんは、どこか行きたいところ、ある?』

 え~! いきなり言われても~!

「その、えと。会えれば、どこでも」

『ホント?』

「はい」

『じゃ、CD探すの付き合ってくれないかな?』

「はい!」

『ありがとう。紫音ちゃんも探したいCDあったら、一緒に買おうか?』

 正直、あたしは音楽にあんまり詳しくない。

「あ、あたしは特に……」

『だったら、この前と同じ時間と場所で。いいかな?』

「はい」

 あたしまた、『はい』ばっかり。

『じゃ、よろしくね』

「はい」

 電源ボタンで通話を切った。

 心配し過ぎだったのかな、やっぱり。

 紗枝の言う通りかもしれない。

 それより。

 ちゃんとあたし、告れるのかな?

 杜雄君は、うなずいてくれるのかな?

 会えるのは楽しみだけど、不安なこともいっぱい。

(杜雄君。しつこいかもしれないけど。あたしだけの彼氏だよね……?)

 握ってくれた右手。

(――熱い)

 信じてる。

 杜雄君。


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