表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/64

60話  乗っ取られる東京

 ――知事公館。


 東京都知事となった信貴条……否、妖魔神四鬼は多くの同胞を周りにおきながらワインを嗜んでいた。


 そこに鮫のような尾ひれが頭につき、鱗のような肌をした人型妖魔が膝をつく。


「四鬼様、都知事就任おめでとうございます! 皆のもの! 祝え! 東京全域は我らのものぞ!」


 その妖魔が叫ぶと、周りの妖魔はどんちゃん騒ぎ。


三蛟みずち、でも配下の妖魔王はお前だけになってしまったねえ」

「なあに。吾輩一人いれば、四鬼様の護衛はなんの問題もありませぬ。そもそも護衛すら必要ないでしょうし」

「そうだねえ。オレの能力で()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ワインをぐっと飲み干す四鬼。そんな彼に、意識のなさそうな人間が酒を注ぎにくる。

 周りにはそんな人間達だらけ。妖魔達に平服し、従っている。そんな人々は全員目が虚ろで焦点もあってなく、よだれをたらしてるものまでいる。

 四鬼に意思を消され、洗脳でもされてるかのように……


 東京都民を手中におさめたという、四鬼の能力によるものと思われる。


「次は総裁選ですね。それで総理の座につくことで、日本の全てが四鬼様のもの……」

「焦るなよ。これはゲームみたいなものだ。そういうものには必ず邪魔がはいるものさ」


 その言葉を聞くと、三蛟は目つきが変わる……


「二鳥や一兎を仕留めたガキ共ですかね?」

「うんそう」

「確かに邪魔しに来そうですね……なら吾輩が始末しますよ。他二人の尻拭い、させてください」

「勝手にしな。オレは興味ない。暇潰しくらいにしか思ってないからね」


 


 ♢




「都知事が四鬼ぃ!?」


 黄緑が叫ぶ。

 青春達はまた、尾浜の家に集合していた。

 そこで新たな都知事、信貴条の正体が妖魔神、四鬼だと判明していたのだ。


 判明した理由。それは奴が能力を発動したからだ。


 東京都民全ては四鬼の洗脳に堕ちた。

 今東京に住むもの達は全員奴に操られた状態となった。全員が全員意思を持たない人形のように、動かなくなった。

 動く時は、四鬼の命令を受けたときのみ。


 妖魔神、四鬼の能力は更なる調査でわかった。


 立場の低いものの、全てを手中に納める能力。

 四鬼の配下となったものは、全身全霊をもって、奴の命令を受ける。逆らう事は許されない。対象の意思を奪うか奪わないかは四鬼の裁量しだい。


 東京都民は配下になったわけではない。ならなぜ能力に堕ちたか?


 その種が都知事だ。


 東京という地から選ばれた代表。それはある意味では権力者のようなもの。東京の代表、つまり、東京で一番偉いものと解釈されてしまうのだ。


 つまり、東京都民は四鬼の配下となり、従わされることとなった。


 都民の変わりようで、信貴条が四鬼だと組織は理解したのだ。


「達田も、そこまで必要な人材ではなかったわけだね……あいつが知事になったらなったで、奴を配下にし、間接的になにかする気だったのかもだけど、四鬼が都知事は一番最悪の一手だよ」

「……なんで?」


 黄緑は首をかしげる。ちなみに青春を膝にのせて抱きしめてる。


「おいら達も都民だからだよ」


 頭を抱える尾浜。それはつまり、彼らも四鬼の手中に堕ちたという事だ。


「操られてるように見えないけと?」


 と、黄緑は疑問を口にする。


「おそらくおいら達は高い魔力を内に秘めてるからだと思うよ。でも奴を目の前にしたら……攻撃できるとは思えない……」


 尾浜だけではない。冬黒に秋葉も東京都民。ゆえに縛られる可能性が高い。

 

 つまり彼らは四鬼と戦えない……


「闇野くんと夏野くんは都民じゃなくてよかったよ……」


 そう、青春と黄緑は都民ではなかった。学校も東京にあるわけではないし。

 むしろ冬黒と秋葉が例外的に東京から通ってたのだ。


「でも四鬼の次の動きはわかる。奴は総裁選に出るつもりだよ」

「……ソウサイセン?」


 黄緑は可愛く首をかしげる。


「青くん青くん! 知ってる? あ、じゃなかった。あらあら~知ってる青く~ん?」

「よくわからない」

「あらあら~そんなところもかわいい~」


 ダメだこりゃと呆れる尾浜。


「総理大臣決めるやつだよ簡単に言うとね。総理は日本の代表みたいなもの……奴が総理になれば、日本国民が手中に堕ちることになる……」

「そして、他の国の代表に次々になって、世界征服……四鬼の狙いはそんなところでしょうね」


 と、冬黒は補足する。


「こうなれば総理に就任する前に、四鬼を討伐するしかないですね。……自分としては春火さんの仇、四鬼をこの手で殺したいところですが……闇野、君に託しますよ」

「冬黒くん……」

「その代わり、負けは許しませんからね。最後の妖魔王は自分がしとめてやりますから、四鬼は任せます」

「うん」


 話は決まった。


 一刻も早く、妖魔神四鬼を討伐する。日本を奴に乗っ取らせないために!


「でも今のままであいつに勝てるかはわからない……」


 前回、あっさりと四鬼に青春達は敗れている。対策もなしに挑んでも勝てるとは思えない……

 ※54話参照。


「わかってる事は、奴は木属性、それも風使いってことだけ」

「風ねえ~ワタシの腕切りやがって、万倍にして返す!」


 風の刃で黄緑は腕を落とされた。

 何事もなかったように、今は腕がついているが。


 黄緑の身体能力強化はさらにパワーアップしていた。

 切れた腕を再びくっつけることが可能になっていたのだ。全く違和感なく。


「あらあら~そういえば青くん。ヒルダは大丈夫なの~?」

「ああうん。両断されたけど治ってるよ」

「化け物ね~」


 お前が言うなと、周りの者達は思った。


「倒した妖魔を取り込み、ヒルダはさらに成長してる。冬黒くんが倒した奴も後で吸収しておいたからね」

「そっか、青くんは倒した妖魔をヒルダの血肉にしてるんだっけ?」

「うん。100%力をものにできるわけではないけどね」


 二鳥にコカトリス。二体の強大な妖魔を食ったのだ。相当パワーアップはしてるはず……

 だがそれでも四鬼を相手にするにはまだ足りない。そんな気がしていた。


「総裁選の時期は?」

「1ヶ月後だよ」

「それまでになんとかしないとダメってことだね……」


 黄緑は素朴な疑問を口にする。


「てか都知事になったばかりで総理になれんの? やとーだかなんだかの人じゃないとダメなんじゃないの?」

「東京都民が奴の手中なんだよ? どうにでもしてくるさ。現在の総理も都民だから操られるし」

「じゃあ都民全員ぼこぼこにして気絶でもさせる?」


 なんて野蛮な事考えるんだこの子はと、一同呆れる。


「都民何人いると思ってんの不可能だよ……」

「メス猫都民かなあ? ぼこぼこにしたい」

「やめなさい」

「はぁ~い青くん。チューしていい?」


 青春が手綱握ってないとなにしでかすかわからないなこの女と、みんな思った。


「都知事になったことでむしろ、奴の動きはつかみやすいかもね。表向きには都知事の仕事とかするんでしょ?」


 青春はそう言った。

 確かに、そうかもしれない。行方がつかめないことで有名だった四鬼の居場所がつかめる。そこは大きな事……


「総裁選までに、奴に勝てるように修行でもするよ。妖魔狩りでもしながらね」


 姉の仇を見つけて、前のようにならず、冷静でいる。

 今の青春なら安心かもしれないと、皆は思った。


 四鬼を倒すための切り札……

 闇野青春と夏野黄緑。


 日本の行く末はこの二人に託された……


「ねえねえ青くん。仇とれたらお姉ちゃんご褒美ほしい~」

「はいはい。わかったよ」

「……言質とったよ……フフフ」


 卑しく笑う黄緑……


 青春はヤバい、失言だったか? と、少し後悔した。


(でもお姉さんにはお世話になってるし……大目に見ようかな)




 ――続く。




「ご褒美がなにか? 内緒~」


「次回 修行開始。何はともあれ強くならないとね!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ