地球転生編 2-77 美少女降霊術師の心霊事件簿5: 夏合宿特別編 (2日目後半戦)
美少女降霊術師の心霊事件簿5: 夏合宿特別編 (2日目後半戦)
旧海軍施設跡での除霊を終えてコテージに戻って来た最神玲は、物部かすみの様子を見に、彼女の寝ている部屋に向かった。そこには何人かの女子部員がかすみの看病をしていた。
「おい、かすみ、調子はどうだい?」
「あ、玲、もう帰って来たの?あれはどうなったん?」
と言うことで差し障りのない範囲で説明しておいた。詳細は帰ってからということである。
「そうか、有難うね、玲。で、これからどうすんの?」
どうと聞かれても、かすみを連れて帰るだけだが。あー、この後の予定か。と言うことで、
「まあ、かすみの代わりに彼らについて行くよ。
かすみは、大人しくおねんねな」
と言って玲は部屋を出て行った。部屋に残った女子部員からは、「物部先輩の彼氏、格好良いですね」とか、「先輩の相棒の割に態度でかくないですか?」などと聞かれて、かすみは「あいつは彼氏ではない」と否定しつつ「後で家に帰ったらしっかり躾けます」などと言って、何とかその場をやり過ごそうと四苦八苦していた。
さて、夕方からは次の心霊スポットに移動することになった心霊サークル部員とジーエックススタッフ達。かすみのリタイアでこの先どうなるか心配されたが、急遽駆けつけてくれた玲のお陰で、このまま目的地での探索と取材が出来ることに一同安堵した。なお、彼らが向かう洞窟は大人数で移動するにはかなり困難があるので、希望する参加者を募って行くことになった。その結果、午前中の旧海軍施設跡での体験からか、女子部員は半数近くが、男子部員も数名が辞退した。玲は自分の車で行こうとしたが、ジーエックスのディレクターの山崎から是非こちらの車での同行をお願いしますと懇願されたため、仕方なく彼らのワゴン車に乗って行くことにした。そして当然の成り行きとして、車内では上本ハンナによる玲へのインタビューが行われることになった。尤も、20分程走らせると目的地に到着したので、玲は内容的に使えるのか他人事ながら心配になった。それよりも、降りて早々に、「なんかやばい所に来たか」と一瞬不安になった玲である。ただし、玲自身手に負えないかと言うとそうではなく、むしろ玲以外の者にとっては、ということであった。
ちなみに、その洞窟は、入口付近は確かに自然洞窟であるが、そこから奥は防空壕として戦時中に作られていた。そのため通路は手掘りのためか凸凹し、しかも何とか人がすれ違える位の幅しかない。そしてその奥には少し広くなった空間があるという。ただし、通路が複雑に張り巡らされているため、一部は立ち入り禁止となっている。そしてこの洞窟で見られる霊現象は、戦時中に亡くなった人達ではないかと噂されている。と言うのは、ある人は防空頭巾を被った女性の霊を見たといい、またある人は軍服を着た人を見たという。そんな洞窟に入る前に、玲は集まった人達に警告を発した。
「この心霊スポットは、実はかなり危ないです」
霊の言葉に一同の間に緊張が走り、来たことを後悔する者も出たりした。続けて、
「僕だけであれば、中に入って
除霊とかするのは問題ないのですが、
皆さんの安全まで保障できるかと言われると、
正直自身はありません」
「この中には一体どんな霊が居るんですか?」
と恐る恐る尋ねるディレクターの山崎。これに対し、
「恐らく、かなり大勢の霊体です。しかも...」
となぜか言い淀む玲。その理由は
「この場所で殺されました」
殺されたと言う言葉を聞いた途端、午前中に訪れた旧海軍施設跡の様子を思い出したのか、あるいはこの場の雰囲気とも相まってなのか、ある者は耳を塞いでしゃがみ込み、ある者は体の震えを抑えるために両拳をきつく握り締めたりと、各自いよいよ緊張感が増してきた。そんな人たちにお構いなしに、玲は更に言葉を続けた。
「午前中に行かれた旧海軍施設跡でしたか、
あそことどうも関係している感じです。
そして、恐らくそこの責任者でしょうか、
彼が主導してここに集められた人達を
殺していったようです」
こう断言したのは、玲の周りには何体かの無害な霊体が集まって来て、口々に彼にそう伝えたからである。それ程までにここの霊体は誰かにこの惨状を訴えて成仏したいと願っていた。
「説明しているだけでは分かり難いですし、
疑われても仕方ないので、とりあえず中に入りますが、
一応僕は皆さんの周りに結界みたいなものを張ります」
と言うや否や、玲は自分を追尾する直径20m程のアニュラス型の降霊召喚門を設置した。これ位あれば多分大丈夫だろうと踏んだのだった。それでも念のために、不安であればここに残ることを薦めるが、出来れば車の中で待機することをお薦めします、と言いおいて先頭に玲、その後ろにジーエックスの取材班、更にその後ろに心霊サークルのメンバーと言う順番で洞窟の中に入って行った。
洞窟の入り口付近は夏の夕方のためまだ十分な明るさがあったが、洞窟の中は既に闇の中だった。なお、明かりは取材用カメラに設置されている強力なライトで十分な光量が得られていたので、それを頼りに一行は進んだ。奥に進むに従い湿度が高くなってきて、体に纏わりつく湿気で何だかジメジメして嫌な気分になってきた。そして10m程進んだ時に、分かれ道が現れた。ただし、片方には立ち入り禁止のテープが張られていたので、進行方向はもう一つの方向になるのだが。しかし、
「僕らは、こっちの立ち入り禁止の方向に行きます」
と玲はそちらを目指そうとした。その時上本ハンナが
「最神さん、もう片方の通路の先で
目撃例があると聞いてるんですが」
と玲に尋ねた。すると玲は、
「その霊体は、この先から出てきたものです。
大本は、この先に居ます」
と断言した。そして、そのまま立ち入り禁止テープの下を潜って、先に進んでいった。そして暫く進むと、T字路に出くわしたが、玲は迷わず右に進んでいった。後続の者達も玲に遅れまいと必死で後を追い続ける。それから20mほど進んだ時、突然前方に部屋が現れた。ライトで照らすと、横幅10m程、奥行き20m程、高さは2m弱か、それ位の空間であることが見て取れた。勿論そこには何もない。だが、玲の目には奥の壁の近くで数十体の霊体を見ていたのだった。後続の者達がその空間に入った途端、全員酷い寒気に襲われ、体中に鳥肌が立つのを感じた。霊が見えずとも、この空間は何か変だと、本能的に感じたのだろう。
「最神さん、ここですか、問題の部屋は?」
と全身の震えを我慢しながら玲に尋ねた上本ハンナである。玲は答える代わりに、前方を凝視しながら頷いた。そして、早速前方に降霊召喚門を設置した。すると、
「わー、な、な、な、な、...」
とその後言葉が続かないディレクターの山崎。玲が降霊召喚門を設置した途端、薄っすらとだが部屋の奥の闇の中で何かが蠢くのを捉えていた。しかも一体ではなく、何十体も。ここにいるジーエックスのスタッフも心霊サークルの部員も、今になって来たことを後悔するが、勿論後の祭り。やがて、カメラを回している山崎と來田はプロの意地でこの光景の撮影に集中し出した。その様子を見ていた心霊サークル部員も、撮影に専念することで何とか恐怖心を紛らせようと努力した。さて、玲は前方に見える霊体をどうしようというのか?特にジーエックスからは除霊をお願いされている訳ではないのだが、玲もこの仕事をするに従い、幽霊と呼ばれる霊体が必ずしも望んでこの場に留まっている訳ではないことを知るようになった。そう言った霊体には、彼らが希望すれば出来る限り霊界に送ってやろうと思うようになっていた。そして、玲の周りにやってくる霊体は全てが成仏させて欲しいと懇願した。だが、それを阻止しようとする霊体もいる訳で。とりあえず、前方に設置した降霊召喚門に捉えられている霊体に対し、お見送りを行った。すると数体の霊体を残して全て消えていった。この様子を肉眼ではっきり捉えていた上本ハンナは、すかさず
「も、最神さん、こ、こ、これって
ゆ、幽霊が消えたということですか?」
「はい、殆どは霊界に送りました。
ただし、数体の霊体はそれを拒否しています。
つまり、そいつらがこの場所を心霊スポット化した
大本ということになりますかね」
と何やら世間話をするように呑気な話し方で答える玲。そして上本ハンナは、そんな緊張感のない玲を見て少し落ち着いたのか、続けて
「では、拒否している霊体は、
所謂悪霊の類なんでしょうか?
もしそうであれば、我々は危険なのでは?」
と誰もが抱く当然の疑問を玲にぶつけた。それに対して玲は、
「そのリスクを考えて、既に皆さんの周りに
結界を張ってますから、
そこから出なければ安全です。
後は何があってもパニックにならないこと。
自分をしっかり保ってください」
と玲から自信たっぷりに説明されると、少しだけだが全員の心に安心感が広がった。
さて、玲の前方に残っている霊体だが、恐らくあの霊体を説得するのは無理だと睨んでいる。そこで、昼間の霊体と同様に、一旦降霊召喚門を解除し、すかさず降霊転移門を設置した。そして門を開けて霊体を強制的に吸い込もうとしたとき、玲の視界の端に何かが地面に落ちたのを捉えた。ふとそちらを見ると、上本ハンナが極度の緊張から手汗を拭くために握りしめていたハンカチが落ちたのだ。それを彼女は拾おうとしてしゃがみ込んだ時、ハンカチが門の方に徐々に移動を始めたため、慌てて彼女はその後を追いかけだした。その時玲は、咄嗟に「危ない!」と叫んだが、彼女の動きは止まらない。しかも霊体は頑なに吸い込まれるのを防いでいた。こうなると直ちに門を閉じないと上本ハンナが霊界に吸い込まれて危険だが、そうなると降霊転移門に彼女が入った途端恐らくあの霊体に憑りつかれてしまうだろう。つまり、霊体が吸い込まれるのが先か、憑りつかれるのが先かとなってしまった。とりあえず、玲は急ぎ上本ハンナに「それ以上向こうに行くな!」と叫んで、急ぎ彼女の後を追い掛け、彼女の左手を掴み何とか動きを抑えることは出来たが、降霊転移門の吸引する範囲に入ってしまったのか、徐々に前方に引っ張られていく。玲は腰を落として綱引きをする要領で彼女の腕を引っ張るものの、後は時間の問題かと思われたとき、最後まで抵抗していた霊体は、玲に向かって大きく口を開けて噛みつく仕草を見せながら、霊界に送られていった。そこで玲は直ちに門を閉じて召喚を解除した。玲が上本ハンナを見ると、後数センチで彼女の足先が門に達するところだった。上本ハンナは自分に何が起きたのかが分からず、口を開けたまま放心状態で座り込んでしまった。玲はズボンに着いた砂を払いながら立ち上がり、上本ハンナに手を貸して何とか立たせた。
「い、い、今、今、な、な、何が、お、起きたの?
わ、わ、私、わ、私は、れ、霊に、
つ、つ、捕まったの?」
漸く一心地ついたものの、まだ突然のパニックから立ち直れてない上本ハンナが震える声で玲に問いかけた。それに対して玲は、詳しいことは後にすると言って、直ぐにここから出るように皆を促した。そして、一度道を間違えたりしたものの、何とか全員無事に外に出ることが出来た。
玲は、あの場所で何が起きたのかについての説明を改めて行い、そしてそこに捕らわれていた数十体の霊体全て霊界に送ったことを説明した。そして上本ハンナには、霊体があなたを掴んで引きずり込もうとしたのではないから安心して、と伝えた。玲は何時もと変わらず、ごく普通に除霊をしたように説明するが、長年この世界で飯を食っているジーエックスのスタッフ、特にディレクターの山崎は、幽霊を1体除霊するだけでもかなりの準備をして行われることを知っている。勿論それで除霊される場合もあれば、全く除霊されない見掛け倒しの場合もあり、それらをこの目で見てきた。その彼の常識を逸脱する玲の除霊、しかも自分の目で見えただけでも10体程の霊体が確かにスーッと消えていくのをこの目で目撃した。彼と言い、物部かすみといい、一体彼らは何者なのだ、と改めて認識するに至った。もし彼の除霊の様子が映像に捉えられていたら、恐らく殆ど全ての自称を含む霊能者や霊媒師と言った人達は廃業するのではと懸念した。その光景は、それほどまでの強烈なインパクトを彼に与えたのだ。
玲と待機者を除く全員が、自分たちが目撃した光景のせいで頭の中が混乱している中、待機組の女性部員が玲に
「最神先輩、ここの洞窟はもう
心霊スポットではなくなったのですか?」
と尋ねた。何とも場違いな質問により、その女性は皆の注目を一身に集めてしまい、俯いて「すみません」と呟いてから、友達の陰に隠れてしまったが、玲はその子に対して優しく
「そうだね、少なくとも今は悪霊というか
怨霊というか、そんなのは居なくなったし、
霊体もかなり減ってはいるけど、
残念ながら全部は成仏できてないんだ。
あっ、そうか、心霊サークルとしては
心霊スポットが減るのは駄目なんだっけな、
ははは」
と、玲にしては珍しく冗談を飛ばした。このお陰か、質問した女子部員も笑顔になり、それにつられて皆の顔にも少しずつだが笑顔が戻って来た。日頃からかすみによる笑いに関する厳しい指導を受けてきた玲だが、その努力が漸く実を結んだということだろうか。
さて、玲とその一行は、一旦宿舎であるコテージに戻り、待機組と合流した。その後、遅い夕食となったが、ここでジーエックスは心霊サークル部員全員をホテル内のレストランでのビュッフェ形式のディナーに招待した。これには食べ盛りの特に男子部員は大盛り上がりとなった。ちなみに、玲も同行して欲しいとディレクターの山崎からお願いされたが、かすみが本調子には程遠く、何とか起き上がれるまでには体力と召喚エネルギーが回復していたが体調万全ではないため、このままかすみを連れて帰ります、と言うことで結局玲とかすみは、皆に見送られながらその場を後にした。そして来た時に使った山中の駐車場にやって来て、車の召喚を解除後、玲はかすみを背負ったまま自宅に転移していった。
「体調はどうだい、かすみ?」
「まだ、体のだるさはあるけど、
何とか起き上がれるまでに回復したかな」
と背負ったかすみを一旦彼女のベッドに横たえてから玲はかすみに現状を尋ねた。それから、お互いに何があって、何が起きたのかについての情報を交換した。特にかすみが驚いたのは、玲が行った霊体の強制退場の方法、降霊転移門を直接開閉して霊体を霊界に送りこんだ方法である。これは以前、彼らがドイツで見つけた降霊転移門、まさにそれと同じものを玲は再現し、しかもそれを霊体を霊界に送り返すことに使ったのだという。恐らくこのような芸当が出来るのは、最神玲をおいて他にはいない。改めて、自分の相棒である玲に対する畏怖の念を抱くかすみであった。
それから玲は、自分の部屋に戻って、早速今日行った除霊に関してタチアナに報告しておくことにした。尤も今のこの時期、タチアナはそれどころではないのは分かっていたのだが。そう、後10日程すると、彼女はいよいよ故郷に帰還するのだから。
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後日談
ジーエックスのスタッフルームでは、今回の取材の編集作業を行っているディレクターの山崎の他に上本ハンナと來田弥生が、山崎のPCのモニターを眺めていた。そこには、初日に物部かすみが発見した人骨の持ち主である池内怜美の霊体がはっきりと映されていた。そして彼女が訴えかける声もしっかりと録音されていた。ところで、かすみが発見した人骨に関する報道は、かすみの発見した3日後には全国ニュースでも流された。そしてその人骨は都内に住む池内怜美であることも報道された。そこで山崎は、より信憑性を高めるために、この報道を引用することを考えた。なお、池内怜美は家族から捜索願が出されており、また池内怜美は交際相手とトラブルに遭ったことが分かったため、警察はその交際相手を任意で聴取しているという。なお、その相手の男に関してはまだ報道されてないが、山崎以下ジーエックスのスタッフは、その男の名前が「みうらやすお」であることは分かっていた。もしこのエピソードのDVDが発売されるまでにはっきりとわかれば、それも一緒に載せよう、などと考えていた。
その後2日目の旧海軍施設跡での映像編集でも、そこには多くの霊体らしきものが映像に収められていた。そして、物部かすみが何か呪文のようなものを発した直後に、それらの殆どが消えて無くなった。ただし、そこには1体だけが残っており、確かに何やら禍々しい雰囲気を漂わせている様子が映像に記録されていた。もしこの場にいた心霊サークル部員の映像の中にも同じような霊体が映っていたら、複数人からの違ったアングルの映像として納められるし、同時にやらせとか加工の疑いも消せるぞ、と山崎は咄嗟に考えていた。これに関しては早速、部長の竹内に連絡しておくことにした。
そして最後に海岸沿いにある洞窟、と言うよりも実際は洞窟を利用して作られた防空壕らしき跡なのだが、洞窟の入り口で1体の霊体だろうか、何かが洞窟に入る様子がカメラに捉えられていた。その後、最神玲を先頭に奥に進んだ時、あの広い空間で、今度はより多くの霊体が蠢いている様子が映像に記録されていた。そして、上本ハンナが何かに引きずられるように部屋の奥に向かう様子は、確かにそこに何かが居て彼女を引っ張らないと起きないような体制で引きずられていたのが映像から読み取れる。しかし映像からは部屋の奥に何かが映し出されてはおらず、そのため彼女の異様な挙動が余計に目につくのだった。そして最神玲が何か呪文のような言葉を発した直後に、上本ハンナを捕らえていた何かが離れたのか、彼女が解放される様子がよく分かった。
これらを編集し終えて、山崎は、つくづく最神玲と物部かすみと言う存在に不思議さと言うか大いなる魅力を感じてしまうのだった。彼らは、本当の意味で真の霊能者ではないのか、ということである。
そして、編集が終わった映像は「心霊怪動画蒐」のスペシャル版として発売された。なお、映像に関しては、心霊サークル部員が撮影した色々な角度からの映像も収められており、それらを撮影した部員達にはちょっとしたバイト料になったりして喜ばれた。勿論、心霊サークルも独自に編集して、それを動画サイトにアップして記録的な視聴回数を獲得したりした。そして、ジーエックスが発売したDVDは、この手の心霊動画にしては異例の5万本が売れたということで、撮影したスタッフ達にも臨時ボーナスが支給されるという、嬉しいおまけがついてきた。なお、玲とかすみだが、本人たちの希望から、顔にモザイク処理をしてもらうようにお願いしたため、身元が特定されることはない。この点については、当初山崎は、良い宣伝になるのだから是非顔と自分達が立ち上げた組織名を公表したらどうですかと強く勧めたのだが、玲もかすみも余りにも消極的であることに違和感を覚えた。もしかして彼らは、そこまで真剣に霊能者をする気が余りないのではと思わざるを得なかったりした。ちなみに、当人たちは、今のペースで仕事をする分には何も問題を感じておらず、しかも彼らの中では[神社の仕事]>[M&Mの仕事]の立ち位置が全く変わっていないことから、山崎の申し出を断っただけなのだが。ところが、それが却って後々色々なトラブルを招くことになるのだが、その話はまた後程。




