89/235
渡嘉敷の港にて
渡嘉敷島
沖縄半島から約70分で着くこの島は
着いた瞬間に港の左右に山を捉えられた
那覇港のように街中でも
本部港のように平地が広がるわけでもなく
山だった。
本島にいくつかある山は飛び抜けて高く
恩納岳や与那覇岳など
名前がついている
それ以外は人の住んでいる平地がほとんどだ
首をあまり動かさなくても見れる緑の山は
本島の景色に慣れていると不思議なものに思える
小雨と薄鼠色の空が私を迎えてくれた
悪くない
むしろ明るすぎる太陽は
陽気でないことを許してくれないような
ある意味の残酷さを孕んでいるように
思えてしまうから。