表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/235

台風何号


台風の季節


いくつかの台風は風を感じる間もなく去った


今回の台風は少し違った


体を湿らせておいて風で冷やす


という風邪ひく典型のよう台風だった


まず足先から伝わってくるぬるいアスファルトの感触


台風だからと日差しが出ないことはない


雨雲の隙間を縫ってはぬくぬくと


コンクリートに熱を補充する


真夏ほどのはだを焦がす直射日光ではない


しかし一面白い雲で覆われた空は


熱を逃さない


雨は急に振り出し止まる


折りたたみ傘を持つ手が上下するほどの圧を


感じたと思ったら


さらさらと粉のような雨になったり


どうやら


少女のように気分屋らしい


傘をさすのかどうか迷ってしまう


降っては止み降っては止み


濡れることに抵抗がなくなってきてしまった


地上と雲に包まれた空間には


息苦しい水蒸気が詰まっている


まるで容器に閉じ込められたかのような

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ