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蜘蛛の巣
蜘蛛の巣だ
木の枝に二つの糸をくくり付け
その下に巣を展開している
巣の下の方をクロトンの葉に着ける
まるでテントを立てるかのように
四箇所を蜘蛛の巣の支柱にする
木が背が高いので蜘蛛の巣はかなり大きい
その中心に蜘蛛がいた
蛍光黄色の腹をもつ蜘蛛
四本足をXのようにめいいっぱい広げている
中心から均等に糸を張られたであろうものは
穴が開いている
かなり時間が経っていそうだ
ずっといたのだろうか、蜘蛛よ
蜘蛛の足先から白い線が出ている
直線で蜘蛛の足を入れて巣上に大きなXを書いていた
白線は螺旋状に敷かれる糸の上から
さらに糸を重ねたもののようだ
ギザギザと遠目からみるとマークのように
よく観察したいと足をコンクリート塀にかける
草むらから灰色っぽい茶のバッタが2匹飛んだ
光のあたり具体によって見えなくなる蜘蛛の巣に
動物は引っかかる
人間も引っかかる