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初秋
太陽が雲に隠れ
少し薄暗い昼間
青空が顔を出す
日が雲の上にあることで
気温はぐんと下がっていた
9月の1日
蝉の声は完全に聞こえなくなった
蜂が野朝顔に近づき
花弁の中へ入っていく
秘密の口付けを想起させるように
こっそりと
蜜を吸い終わると
羽を高速回転させて
次の野朝顔へと移動した
胸、お尻ときっぱり分かれていて
大きめの蜂だ
後ろ足で何かを掴んでいるようだが
捉えきれない
鳩が水を飲みに来た
水たまりにはうなぎの小さいのがいる
体をくねくねと
Cの形逆Cの形に踊っている