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空と夜
何だか調子があまり
そんな日に見上げる雲は壮大で柔らかく美しかった
森のうえから顔を出す
息を吹き入れた風船のように
膨らんでいた
すっきりと乾燥しきらず
薄いもやがかかっているような空
真夏のすっきりするようなスカイブルーの空から
色の淡い水色へ変わってきている
水彩絵の具で水色の具に水を沢山入れて
透き通る水色にした時のようだった
メガネを外すと虫の音が大きくなる
立体となって音が響く
耳なじみがよく音量も大きくない
ジーーーー
リュんリュんリュん
キリリリリ キリリリリ
初秋とも呼べる涼しい夜に
幾数年前の人と同じように美と開放感、癒しを得る