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バンシルー
そとへ出て気づく
夏は続いていた
室内の寒さに慣れると冬の到来を思い、
袖付きの服が欠かせない
同様に外の散歩にも長袖は欠かせない
日照りで小麦色の肌を目指さない限り
無人販売所の前を通りかかった
屋根と商品の置いてある棚だけ
コピー用紙のような白い紙に
黒マジックでバンシルーと書かれていた
バンシルーは
鈴を思わせる球体に青々とした緑だった
球が8、9個ビニール袋に入っている
何だこれは
販売所の日除け屋根の下に入る
100円均一の販売所のようだ
波打って上に捲れ上がっていた名札の紙を
綺麗にすると
バンシルーの上に同じような黒で
グァバと書かれていた
グァバか、名前は聞いたことあったが
実物とは初対面であった
お腹が空いていなかったから手に取らなかった
グァバ、バンシルーが身近にあることを感じた
重い日差し