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白い鳥
つるりとした身体
白い羽を大きく広げると体の同じくらいの幅に
広がり正方形を描く
地面に近づくと羽を折りたたみ
ひょろりとした立ち姿へと戻る
鷺かなにかわからぬが美しい立ち振る舞い
大胆に開く羽を普段は仕舞い込み
必要な時だけ見せる
からだそのものに必要美が施され
白に濡れた瞳が映える
くすんだかすみ色の雲と
朱を差した天上の元
黒緑の住処へと帰ってゆく
苔に覆われた黒々しく湿った石に
一度足をおいた
音を鳴らして羽を開く
閉じたときには闇が始まっていた