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夜雷
乾燥した闇に一瞬の昼が訪れる
瞬きをした
また昼が来る
内臓を揺さぶる低い音が響いた
ごごごごごご ごろごろごろごろ
また光る
空が泣くことはなく
悲しみが世界に広がっていた
むちむちとあたたかいものは眠りにつき
叫んでも叫んでも声が吸い込まれて届かない
硬く絞られた布巾のように形状を違えず
水分が抜けきっていた
虚しさだけが漂っていた
これは誰かの悲しみなのだろうか
誰かの叫びなのか
憤怒なのか
哀願なのか
ただ夜は続いていく
時々地鳴りをさせながら
夜は続いていく
誰かの思いを抱きながら