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朝が雨
朝雨を思い出させるのは靴の中の靴下だけだ
じっとりつま先がぬるい
朝雨
白く染まり前が見えなくなる
シャープペンシルの芯が地面に向かって落ちてくる
白い芯で何を描こうか
考えている間に上から他の芯がやってきて
描くことなく地面にめり込む
朝シャワーを終えた森たちは
艶っぽい緑と光の珠で遊び始める
動いている雲
空を覆う白雲の中で流れは見えにくい
一目には画用紙のように張り付いている
10秒見上げてみた
かなりの速さで動いている巨大な雲だった
大きいものは
動いていることを忘れさせる