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ナナフシ
ナナフシがドアの横にくっついている
狭くないのか
手すりとドアの狭間
白い壁では茶色い体は目立ちます
少し行かれた林は如何でしょうか
良く似たお姿をお見受けします
はぁ、やはりこちらがよろしいのでしょうか、
いやはや、仕方がありませぬ
白い壁を枝色に変えませうぞ
ぬりぬりぬりぬりぬり
あらら、どちらへ
この手摺りは銀色にございます
こちらの居心地が良い、と
塗りますか、あぁぁ今度は階段に 天井に
そんなにバタバタと移動しなくても
グソーンマ(後生の馬)は活発でいらっしゃる
ペンキが足りなくなってきたな………
「なつみ、テスト始まるよ。」
揺さぶられながら耳に入ってきた
日付をみる
最後の記憶は3週間前
えっ、と… どうなっている
ー「本日はナナフシについての特集です。
リスナーさんからのお手紙読みますね。
グソーの使いさんからです。
ナナフシって見たことありますか。ナナフシが動いて
いる所を見たこと無いです。
いつ動いているのでしょうか。
また、早く動けるのでしょうか。
と、いうお手紙頂きました。確かに素早い動きをする
イメージはないですね。……」ー