231/235
自然にいきし島
雨が止んだ後
瞬間的に水が蒸発する
車のエンジン音と鳥の囀り
地面に
めらめらと揺れる夏の幻想はみえぬ
道路がゆがみ道が踊っているやかんの中にいるような蒸れた光景はここになく
さらっと恐ろしいほどの静けさがあたりに広がっている
空を見上げ
雨が降るぞ、窓を閉めなされ。
天を見上げ6.70年の勘が携帯よりも正確な天気予報を知らせし
つと雨降りだしたり
2階の窓の所へ灰色の低い雲が向かってきていた
ただ、私にはこの御雲が雨を含んでいるのか否かわからなかった
長者は風の変化を感じていたようであった
冷たい風、というだけではないようだ
身体に蓄積されしものと感じるアンテナ
ムシロ瀬の如く
雨除けは大きな雫を作りコンクリートを打つ
塗り直したばかりのコンクリートの壁がすり鉢をかいていた