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ぐるぐる
半月が紫に浮かぶ
空と海の間
地球は平面なのか
深い藍は全てのものを
吸い尽くし 覆い尽くし
無へ帰する
時として白や淡さは罪となりけり
原色をめりめり塗りたくった
黄よ、赤よ、紫よ
眼前が白くとぶ前に
地面が揺れ動く前に
なぜコンクリートで埋めることを選択したのか
熱にうなされているではないか
石垣のゴロゴロ石が涼を運ぶ
ねっとりした森が涼を作り運ぶ
息をする
コンクリートの階段
行先はつたの花が咲き乱れる非人間の領域
木陰の涼しい風が階下から吹上げ
こっちへ来てみないかと誘う
冒険心と涼しそうな闇が心を揺り動かす
こうやって地面から階段から飲み込んで
人間の領域などあるのかと問うてくる