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はせる想い
言葉は使っていく中で意味ができ
ある物そのものだけではない偶像が結びつく
蝉
-夏
-鳴き声
-入道雲
-短し命
-下積み長し
蝉の音に合わせて広げてみると
-すいか
-縁側
-風鈴
-扇風機と団扇
-蚊取り線香
-図書館のクーラー
-肌に引っ付く白シャツ
-子供達の麦わら帽子
どんどん情景が描かれる
蝉は蝉、なのだ
虫で羽がついてて三十度付近で鳴き始める
たまに複雑な精密機械のような体を空に向け
ころっと転がっていたりする
言葉はそれ一つで存在するのは難しくて
どうしても周りや人の感覚、想いが詰まってしまう
あおい空、には何が詰まっているのだろう