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トンネル
黒いリュックにダイヤがついている
空からの光線が角度によって一点に光を集中させていた
それがダイヤのように
縦横に伸びる白い線を描いて輝いていた
さっぱりと青く晴れ渡った空に
青を食い尽くす白い生き物が空を遊び回る
黒い影が足元を通り過ぎた
そこは建物の大きな窓の下にあるでっぱりの下。
影になっている所だ
みてみると正方形の暗闇があった
建物の中に通じているトンネルだ
絵の具のような少し明るさを持った黒ではなく
行ってはいけないのだろうと理性が伝えていても
ひとかけらの好奇心が輝いているような
まるで魔法で吸い寄せられるような
深く静謐で色をなくした
黒であった
ここから影が出てきた
通り道であることは間違いない
人間の頭は入るが大人の肩幅が入り切らないだろう
どこまで続いているのだろう
入り口なのだろうか出口なのだろうか
このトンネルの向こうにはどんな世界が広がっている
だろう