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花よ


草いきれに匂い立つ


草むらの中で微笑んでいるわ


その花はね、普段は顔を出さないの


とても小さく小さく


木の密集した闇に入り


草を掻き分けた先にいるのよ


いることもあるし、いないこともあるわ




そのとき初めて顔を出すの


草を動かした振動で花はほろっと揺れるわ


浮かぶは赤子の小さな爪


赤ちゃんの爪のように小さくツヤツヤで繊細な花が


一輪咲いているの


まんま赤ちゃんの爪と同じようなものよ


普段はぐーの手の中に収まっているわよね、


眠っているときや時折気分とでもいうように


ふと花開くのよ


そんな花を求めて多くの人がその森を訪れるわ


季節問わず


でも、こちら側に帰ってくる人は見たことないの


違う道でもあるのかしらね


私?私は行くわ


お家があるの


一人はやっぱり寂しいわ


たまに知らない人が訪ねてきて部屋を揺らすの


私のお家は地面から少し高めのところなんだけれど


びっくりするわよ、あなたも来る?


そのときは屋根も壁も閉めちゃうの


家の中は閉じるとおまんじゅうの中みたいよ


でも暗いから普段は開けているの

 

草の隙間から見る空は広くて


ポカポカで暖かい日は日向ぼっこするわ


今日は綺麗な月が見えるわ


私と一緒に行きましょう


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