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足が作る波

空が美しかった


18時の空


黄金色より綺麗だった


雲はあらゆる形を取り


空、というキャンバスを使って目一杯遊んでいる


太陽は一定の速さで移動しあらゆる角度から


雲を照らしてゆく


雲は光の加減と風によって絶えず変化していた


勿体無い


ずっと見ていた


どの瞬間も逃したくない


世界中のみんなに見せたい


そんなことを思いながらの散歩道


葉っぱのデッサンをしていると


二匹のヒョロ長い体の虫と


一匹の毛虫にあった


異種の生き物たちはどちらもたくさんの移動に


用いる部位、即ち足を擁していた


その動きはものの見事で


ピアノの鍵盤の位相のように美しかった


手の甲で端から端まで撫でたときにできる


手で押された鍵盤で作られる位相が


綺麗な形で移動していた


その位相がいくつも生み出され


速度一定の単心円軌道を描く


サインコサインでみた、あの位相だ


ヒョロ長い方の


体はブロンズで作られたチャックのように


鈍く光った


足の動きが作る波


きょうも日は沈んでゆく

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