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いちにちとして同じ日はないので  作者: みかん


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212/242

綿

お遊戯会…?


綿が当たりに散らばっていた


クリスマスツリーを飾りつけたあの綿だ


何百というふわふわの塊が


濡れた草原に打ち捨てられている


草原の間を縫うように舗装された道に


綿は転がっていない


草の葉に逃げないよう絡め取られる形で


草の葉ごと風に(なび)いていた


サンタのヒゲ


歩いて立ち去ろうとすると


割れた殻の一部が落ちていた


そしてその中に綿がぎっしり詰まっている


殻は硬くつるつるとしていた


見渡すとその周りには綿があまり落ちていなかった


聞いたことがある


ワタヌキ、だったか


綿がなる木がある、と


話によると硬い実の中に綿が詰まっているそうだ


風に吹かれて綿は全て遠くの草に捕まっていた


見上げると葉と葉の隙間に綿がブドウのように


房になってぶら下がっていた


綿のままである


瞳孔が開く


綿の塊


綿の塊がそのままぶら下がっていた


茶色の布を被せたらクマの人形になるような形をした物だった


みんな知らずに通り過ぎてゆく


頭上に綿が浮かんでいるなんて知らずに歩く


"おい、綿がなっているぞ。

みんな、見てくれよ、おい。"


しゃがみ込み木を見上げる私の横を


黒い背中が通り過ぎた


それに向かって目で言った


足並みは崩れずスタスタと黒い背中は小さくなった






 

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