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木の実

厚い枝にマスカットがくっついている


なんだかおもしろい


糊で木に直接 実をつけたように体に緑の玉を


ポコポコポコと付けている


横でポーンとマスカットが落ちてきて跳ねた


拾ってみると


球の後ろから白い液が出て触るとべたべたした


マスカットじゃなさそうなので食べないでおこう


ヘタつきで落ちてきたから青リンゴのようだ


ライチくらいの大きさで淡い緑


表面に茶色の点々が付いてて


何の匂いと言えばいい


木の実のほんのり柔らかな香り



 

拾って集めたいろんな木の実


小さなつめに入った土のにおいと近くの金木犀が


木の実のにおいをかき消した


意味もなく両手に鼻を近づけるとやっぱり柔らかいにおいがした



銀杏の実をたくさん集めた


無意識に爪で引っ掻いて汁が手に付いた


母は


「早く手を洗ってきなさい、何触ったのよ。」


後々銀杏の実は匂いが強いと言われることを知った


小さな私は平気なようだ


においはあの時のまま



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