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扉が開いた
どこへいくのか
なにをするのか
いったい自分はなにものなのか
考えては微睡み
散歩をすれば幻影が浮かびあがる
梅雨時期限定の扉が開いた
気づいたらもう扉の中であった
巨人の住処へ迷い込んだか
白い霧が暗闇の中から絶え間なく流れ出している
古く錆びた金属の軋む音を立てながら
扉が閉まってしまった
ガコンッ
扉が
現世の扉が
閉まった扉から首を巡らし暗闇を凝視すると
哲学と生き方がシャボン玉になってぷかぷか浮いていた
ここで戦う時間が来たようだ
さぁ、自分はどこへ向かう
何をする
何者になる
扉が再び開くまで