表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/235

いつ来たのか梅雨よ


知る間もなく蝉が鳴いた


空の色が変わった


雲の形が変わった


夏の空とは


こんなにも広く壮大で胸を圧迫するものだったのか


思わず手を伸ばす


目の前が潤んだ


呼吸を思い出して胸いっぱいに息を吸い込む


浅葱色の柔らかく薄い空は


深い紺色を奥に忍ばせた青い空になっていた


天井が一気に引き上げられ


天と地の距離を感じる


玩具箱の蓋が開かれるのを中から見ている気分


外の世界の明るさ無限の広がりに息が詰まる



暑さを忘れた


気づけば額に手を(かざ)


佇んでいた


陽射に目をしばしばさせながらひたすらに雲を捉えた



てんとう虫が葉っぱに止まっている


おろしたてのようにつるりとした背中


白く眩しい葉っぱの中で


彼は風に揺れる葉の上で踊っていた






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ