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胡蝶の夢-こちょうのゆめ-
2頭のチョウ
つぅいつぅい つぅいつぅい
戯れる
黄色い羽が
つぅいつぅいつぅい
戯れる
くるくるくるくる
入れ替わる
タイヤのように
くるくるくるくる
回ってる
泉の辺りの月桃や朝顔、つるが
ゆらゆらさわさわ
柔く揺れる
桃源郷、ここに得たり
靄が低く降りてくる
あたりはすっかり夢の中
五寸先は靄の中
一寸先は夢の中
泉の森が暗くなる
お天と様は天井に
靄と雲が混ざり合い
天と地の境がなくなった
お天と様は靄の中
森も泉の靄の中
しっとり体を包み込む
靄
あれは月だったのか
太陽だったのか
それとも
参照:『エモい古語辞典』