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月桃
月桃
葉っぱは包丁葉っぱや竹の葉っぱを大きくしたような
縦長で
ムーチー(お餅みたいな食べ物)、便箋、消臭剤、
ご先祖様への手土産を包む
形を変えて生活に溶け込む
ここではお馴染みの植物、月桃
来るまで知らなかった
池の辺りの月桃の花が咲いていた
他の場所の月桃はまだ蕾すら見かけない
白い蕾
白肌に血色の良いほっぺや唇の
少女と女性の間の揺れ
ぷっくりと膨れた白玉の並んでいる様はとても美しく
月桃がより品よく高貴なものに思えた
月桃の花は蕾の赤いお尻を開き
極彩色の鮮やかな黄色い花びらが舌をだす
舌は黄色に赤い模様が描かれて
動物を誘い込む
蕾は完全に開き切るのではなく
三十度ほどと控えめで花は蕾と一体化しているのだ