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たんぽぽ
たんぽぽの綿毛に触る
両の手の指先で優しく包む
指先に触れる感覚がない
本当に掴めているの
もう少し狭めて
しろもこアフロを覆うように触れてみる
やっぱり感覚がない
これ以上は潰してしまいそうだからやめよう
こんなに繊細だったんだ
風に揺れてふふ、と微笑み返してくれた
4月だからたんぽぽの綿毛、
暦上はなんら違和感なく思える
思いながらもなんだか
違和感、
季節終盤に爆発させたもふもふ頭に思えた
雨の寒さはあるが春の寒さとは違う気がして
たんぽぽが生えているのが不思議に思えていた
黄色い花も見かけたけれど
梅雨が言葉より先に忍び寄ってきている
「梅雨」という言葉の下のほうに小さく細く
侵入している感覚
綿毛を脱ぎ捨て、
つるっとした頭の下に綿毛に種のついたものを
2、3個ぶら下げたものも見かけた
時間って本当に流れているだなぁ