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待ち鳥
サギだろうか
雨の中体勢変えずそこにいる
顔と首を器用に折り曲げ羽の中に隠す
いや、仕舞っている
直すというと伝わらないことがあるが
直すとしまうがどう違うのかがまだ分からない
そんなことが頭に浮かぶが
サギを見つめていると
行動を表す言葉なんてなんでもないように思えた
人口池の水が吸い込まれる穴の
植物よけ網らしきものの上にいた
一羽だった
雨が強くなり白い線が目の前を遮る
水面は波打ち水に浮かんでいた森は消えた
鳥は微動だにせず雨を受け入れていた
雨を、雨を気にしていなかった
何を思ってそこにいるのか
誰か待っているだろうか
さーさー
と雨の降る音と水が落ちていく轟音がサギを
待ち人に見せた