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心が眠る
上り坂をゆく
歩道脇をじょぼじょぼと水が流れる
雨が降って来た
ティーシャツが体にぴったりと張り付く
車道を挟んで右手側に土砂崩れしないように
コンクリートの防御壁がある
左手側、歩道側も防御壁に囲まれていて
お椀の底を歩いている良いな感じと言ったら
良いだろうか
右手側は角度が緩めの壁で隙間から
立派なオオタニワタリが生えている
コンクリートの壁が見えなくて知らなければ
オオタニワタリの壁だ
オオタニワタリの音が優しい
低く温かみを感じる
ぽふぽふ ぽふ
樹に溜まった大きな雫が硬い葉に落ちた
もう一度その音が聞きたくて戻って来たが
雲間から青空が見えて雨音が小さくなっているが
正面で聞くのと、遠くから横から聞くのじゃあ別物
正面で聞くのがおすすめだ
分厚い葉っぱにあたり滴り落ちる水滴