181/235
木の山
葉が落ちた
目で追うとそれは
ねずみだった
ととぅーとるるっとぅー
と足音が聞こえてきそう
スタコラと木の裏側へいく
気になり後を追う
陰で暗く見つけることができなかった
そういえば
木の根元の盛り上がったところを
難なく乗り越えていった
怪獣が山を越えるイメージが浮かぶ
ねずみが怪獣だとこんなに怖いことはない
山をするすると乗り越え迫ってくる
俊足登山者だ
木の根の盛り上がりってなんなのだろう
筋肉みたいにだ
筋張った腕
何本もの腕が木そのものを支えている
その上を乗り越え逃げゆくねずみ
風の吹き荒ぶ今日に寝転がってねずみの目線になる
筋肉の山は辛い道であり身を守る住処になることを
知った